もし、僕がお亡くなりになったら……?

イラストレーター・漫画家として活躍する吉本ユータヌキさんは二児のパパ。ご家族の未来やお子さんの将来のため、しっかりと備えをしているようです。
しかし、やはりお金のこと、制度のこと、さまざま思うところはあるようで……。
ぜひ共感しながら、頷きながらお読みください。

『もし、旦那さんがお亡くなりになったら……』

4年前、新婚生活がスタートしてまもなく子どもを授かり、まさに順風満帆ななか、保険屋さんから投げかけられたスーパーネガティブなひと言。

保険とはそういうものだと認識していたものの、ひとまず苦笑い。

保険とひと口に言っても掛け金や保障額など、いろんな種類があって、しかもいろんな会社があって……いっそのこと全保険会社が合併して1社になればいいのに! と、パンクしそうな頭でウンウンと頷きながら説明を受け、妻が希望する保険に入ることに。

生命保険、医療保険、収入保障、子どもの学資保険。気がつけば僕と妻、合わせて七つほど加入することになっていました。それもこれも『もし、旦那さんがお亡くなりになったら……』という、グウの音も出ないひと言が引き金になったのです(もちろん、ちゃんと理解した上で選んでいますよ!)。

というのも、僕と妻は二人とも20代のうちに片親を亡くしていて、保険屋さんの言う“もし……”の状況を、身をもって経験してきたからです。残された親の大変さも見てきたので、自分たち家族に置き換えてみた場合も想像に難くなく、遺族の生活が少しでも困らないように備えておくのは僕と妻にとって、当たり前のことでした。

ちなみに僕の家系は心臓に関する病で亡くなった人が多く、妻はというとガンの家系。自分の身に、いつ何があってもおかしくない。考えたくはないけれど、親になる以上はしっかり受け入れなければいけない事実です。

現在、子どもが二人いることもあり、保険の月々の支払いは家賃と同額ほど。……ホンマにこんな必要? と自問自答を繰り返すこともしばしばです。でも、僕たちも学費の高い専門学校へ進学させてもらったり、親のスネをかじりつくしながら好きなことをさせてもらってきたりしたので、次は僕たちが学費を払ってあげる番。そう考えると妥当な積み立て金額、かな? 何も知らずに学校をサボって遊んだ日を思い返して反省しました。

絶賛保険貧乏まっしぐらな生活のなかで、僕たちの親もそんな風に思いながらコツコツと貯めていてくれたのかな〜と改めて感謝したり、小学校のときに預けたままのお年玉の行方がふと気になったり。

そんなことは置いておいて、それにしても生きているだけでお金かかりすぎじゃない? なんて思いもしますが、子どもの将来や家族の安心を買っていると考えれば、安いものかもしれません(と、全力で自分に言い聞かせています)。

ここ4年ほどの間に、結婚・妊娠・出産と今までの人生になかった出来事が立て続けに起きました。その上、マイナンバーが登場したり、ふるさと納税が流行ったりと、お金まわりの状況は変容し続けています。

行政の補助金の制度に対する理解もまったく追いつかなくて、知らなかった! ってことがすっごい多いな〜と思うのは僕だけでしょうか? よくよく調べてみたら、もっとお得な制度や受け取れる補助金があるのかもしれない……。そんな期待と疑問を抱くものの、誰に尋ねればいいのかも分からないから結局そのまま。もっと分かりやすくなってほしいものです。

例えば出産時。出産一時金や子ども医療費助成制度(マル福)、そして児童手当……。手続きは平日の役所でしかできないときてる。小さい子どもを連れて行くのも大変ですよね。産院であらゆる手続きの書類を全部、渡してくれたら便利なのにな。
夫婦そろったタイミングでまとめて記入して、あとは役所に持っていくだけになればみんなハッピーじゃない?

ついでに保険屋さんもそのときに来てくれたら、よりリアルな人生設計が描けそうな気がしますよね。生まれたばかりの赤ちゃんの顔を眺めながら生命保険や学資保険の話をするほど説得力のある空気感はないでしょうから、加入率も上がりそう。これは保険屋さんにとってもメリットなのではないでしょうか?

……と、ここまで考えてみましたが、命をかけた大仕事を終えてすぐのところに大量の書類や保険屋さんが立て続けに現れたらちょっとウウ……となってしまうし、何よりも、生後間もない赤ちゃんを横目に『もし、旦那さんがお亡くなりになったら……』なんて言われてしまっては、さすがに苦笑いもできないですね。

最後に。

結婚して5年目、子どもたちは3歳半と1歳半。贅沢な暮らしに憧れはないけれど、子どもたちの将来や万が一に備え、改めてライフプランをしっかり組み立て、資産運用していかなければと思います。

親って大変です。

こういうテーマでコラムを書くたびに、両親にもっと感謝しておけばよかったと後悔しながら、自分も感謝してもらえるような親にならないと、と思い背筋を伸ばしています。お父さん、お母さん、がんばりましょうね。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

〈プロフィール〉
吉本 ユータヌキ
大阪在住のイラストレーター/漫画家で2児の父親。
長女の誕生を機に描き始めた育児漫画『おもち日和』は2017年に集英社よりコミックスとして出版。食べることが大好きです。
Twitter:horahareta13
Instagram:horahareta13
書籍:『おもち日和』(集英社)