整体師を本業としながら、現在はエッセイストやリサーチャーとしても引っ張りだこの5歳さん。飾らない人柄と気遣い上手なキャラクターで若者から同世代の既婚者層まで、幅広い世代に人気です。今回は、そんな5歳さんが投資に取り組まれている理由や、お金にまつわるご自身のストーリーをお聞きしました。

借金を返済しながら家族を養うために働く日々

お金のことを真剣に考えるようになったのは子どもが生まれてからだった。

ぶっちゃけ独身のころは稼いだお金は全部使っていたし、なんなら借金もしていた。クレジットカードのことを魔法のカードだと思っていた。結果的にはその返済で地獄を見たのだけど、あのころの僕は寝ないで働く体力があったので「借金しても気合いで返す!」と頑張っていた。結婚するまでの生活はそんな感じで貯金もなかったので、嫁と急きょ結婚(でき婚)することになったときはマジでどうしようかなと思ったけど、その時も「元気があればなんでもできる!」と超働いた。

借金を返しながら家族を養おうと頑張って働いていたあのころが懐かしい。よく自分でもやっていたなと思う。

子ども二人を大学に行かせると4,000万円かかる!?

結婚してから9年が経つのだが、ようやく最近貯金ができるようになってきた。ここまでは本当に長い道のりだった。結婚して子どもがいると本当にお金がよく出ていく。結婚前の借金もあったし、奨学金の返済もある。「こんな状況でどうやって貯金するんだよ」と思っていた。

そして子育てといえば教育費である。子ども一人を大学まで行かせるのに2,000万円かかると言われている。我が家の場合は二人だから4,000万円。この金額を聞いただけで失神してしまいそうになる。

親としては息子たちがどんな選択をしたときでも対応できるように貯蓄はしていきたいと思っている。僕の密かな希望としては中学卒業とかで職人の道にでも進んでくれないかなと思っている。修行しながら技術も磨けるし、弟子入りって最高だと思うんだよな、しかも職人の世界は後継者不足問題とかもあるし……。息子を修行に出させるのがベストじゃないのかと思う。

親としてはこんな風に思うのだが、大抵子どもは親の思うとおりにはならないものなので、とりあえず4,000万円を貯めながら、職人の素晴らしさについてはなにげなく話し続けて刷り込みをする。

僕は奨学金を借りて大変な思いをしたので、子どもには奨学金を借りさせずに学校へ行かせてあげたい。
奨学金を借りたことがない人はピンとこないと思うのだけど、奨学金って返済期間がとにかく長いのだ。借りてる額がデカいから仕方がないのだが、僕の場合は高校のときから奨学金を借りて卒業と同時に返済を開始。21歳で医療系専門学校(学費高い)に入ってそのときも奨学金を借りて、そして今36歳なので返済生活は18年目で、まだ返済してますからね。そして44歳まで、まだ8年も返済期間が残っている。借りたお金だけど、いい加減完済はまだなの!?とは思う。毎月3万円返済するって地味に大変なのだ。もう18年も毎月ゆうちょの口座から引き落とされると、「それが普通」みたいな感覚にもなりますけどね。

最近では非正規雇用だとか貧困層の問題とか色々あるけど、奨学金を借りている人たちは本当に大変だろうなと同じ返済当事者として心配になる。

貧困にならないためにまず必要なのは教育だと思うし、それに必要なのは学校だと思う。でもそのためには学費が必要で、奨学金を借りる、そうすると返済で生活が困窮する。子どもにも奨学金で学校に行ってもらう……。これが現代の貧困から脱出できない負のループなんじゃないだろうか。それを僕の代で断ち切るのだ。

そんな僕は今年の3月から本格的な貯金生活に入った。借金返済がほぼほぼ完了したのです。これは借金返済あるあるなんですが、すげえ金額の借金を長年返し続けていると返済終わった瞬間にお金がめっちゃ貯まり始めるんです。8月にはようやく資産が100万円を超えました。毎月20万円貯金している計算です。この生活を10年頑張れば長男が高校に入るまでに2,400万貯まる計算だ。

というか10年毎月20万円でやっと2,400万円なんだから子供2人、4,000万円って……無理じゃね??

となると、やはり息子たちのどちらかには職人に弟子入りしてもらわなくてはいけないことになるな。

教育費と自分の未来のため、お金について考える

あともう二つ僕は深刻な問題を抱えている。

①フリーランス40歳限界説
②フリーランスの老後7,000万円必要説

僕は今ライターとして今いているけど、フリーランスの仕事って年齢の限界があって40過ぎると段々と仕事が来なくなると言われている。まぁ僕はそのことも考えた上でこれからYouTuberになる計画を密かに進めているのだけど、それにしたって不安ですよ。自分の未来が。

あとフリーランスには退職金がなく、もちろんYouTuberにもない。活動期間も長くはないので引退も早い。7,000万円は大げさな金額ではないのかもしれない。

もうこうなると子どもの学費問題は耐え抜いたとして老後はどうするんだ? と考えなくてもいけない。

僕の真剣に考えた答えは「投資をやるしかない」という結論。嫁には「これは仕事だから!」と説得をして実際に株の口座を開設した。しかし、初心者なので全然上手くいかない。半年間やっているものの、なかなか資産は増えない。勉強が足りないないと思い、めっちゃ本を読んで、毎日チャート眺めながら研究し、この勉強の日々はいつか必ず役に立つと信じて、今日も株取引をしている。フリーランスは自分で考えて工夫して生き抜いていかなくてはいけないのだ。

世の中には知らないだけで損することや、めんどうくさがっているとチャンスを見逃してしまうということが多々ある。株もそう。ハードルは高いけど長い目で見るとやっていたほうが良いはずなのだ。僕はデイトレーダーなのでその日の売買でもうけようと思っているが、長期投資の投資信託なら安全に資産を増やすことができる。こっちのほうに僕もシフトしようかなと思っているくらい。デイトレードまじで難しい。

教育費の4,000万円のために、そして老後の7,000万円のために、僕は今日もお金について考える。

〈プロフィール〉
5歳(ごさい)
整体師・エッセイスト・リサーチャーと多方面で活躍する。家族についてのユニークなツイートが注目を集めフォロワー13万人を獲得するほか、コミック「ぼくの嫁の乱暴な愛情」(KADOKAWA)の原作にもなり、話題に。
Twitter:meer_kato