100万円を1年間預けても利息は10円に満たない!?
100万円を1年間銀行に預金すると、1年後の利息はいくらになるかご存知ですか?大手都市銀行の普通預金金利はいま0.001%。100万円を普通預金で預けていても、1年後の利息は10円にしかなりません(100万円×0.001%=10円)。
しかもこの10円は、税引き前の金額ですから、ここからさらに税金として20%強が引かれ、税引き後の利息は8円にも満たない金額です。
定期預金やネット銀行などを利用すれば、もう少し金利は高くなります。
しかしそれも時間外にATMで一度取り引きすれば、その手数料で吹き飛んでしまう程度の金額です。
いずれにせよ超低金利の日本では、銀行の預金でお金を増やすことは期待できそうにありません。
「銀行預金でお金が増えないのはわかるけど、投資はちょっと敷居が高い……」そう考えている30~40代の資産形成層にお勧めの運用方法が外貨預金です。
外貨と聞くと「日々値動きしてリスクが高そう」と思うかもしれません。しかし外貨預金は、意外と身近で、初心者でも比較的始めやすい運用方法なのです。
外貨預金なら2%以上の金利を期待できるケースもある
外貨預金とは、その名の通り外国の通貨で預金することです。代表的な外貨としては、米ドルやユーロ、英ポンド、オーストラリアドルなどがあります。
外貨預金の魅力の一つが日本よりも相対的に高い預金金利です。先述した通り日本は超低金利政策が継続しているため、預金金利もほぼないに等しい水準です。
一方で、海外は日本よりも金利が高い国がほとんどです。米国も2008年のリーマン・ショック以降、長く低金利政策をとってきましたが、景気回復や株価上昇を背景に、足元で利上げが続いています。
例えば大手都市銀行の外貨普通預金の金利は、米ドルで0.35%です(税引き前・2018年12月現在)。外貨定期預金であれば、0.6%近くあります(米ドル・1年もの・税引き前・2018年12月現在)。
ネット銀行を利用すればもっと高い金利を期待できるところもあります。某ネット銀行大手は米ドル・1年もの定期預金金利がなんと2.3%(税引き前)です。
円高で外貨にし、円安で戻すのが鉄則
さらに外貨預金のメリットとして為替差益を期待できることが挙げられます。米ドルと円の場合で考えてみましょう。
円高(米ドル安)の時に外貨に換えて、円安(米ドル高)のタイミングで円に戻せば、為替差によって利益が生じます。
通貨で考えるとちょっと難しいかもしれませんが、普段の買い物と一緒です。
何かを安い時にまとめ買いしておいて、後日それが高くなったときにもし売却することができれば、最初にまとめ買いしたときよりもたくさんのお金が戻ってきます。
それと一緒です。ただし、為替動向によっては逆のパターン、つまり為替差損もあるので注意が必要です。
資産が日本円だけに偏るリスクを軽減
分散投資の選択肢としても資産の一部を外貨で持つことは大きな意味があるでしょう。
日本円はいまのところ安全資産の代表ですが、世界に先駆けて人口減少社会に突入し、かつてのような高い経済成長は望みにくくなっています。
また多くの資源やエネルギーを海外からの輸入に頼る日本は、物価が為替動向に大きく左右される国でもあります。
通貨は国力を反映するものですから、長い目で見れば資産が日本円だけに偏るのには、大きなリスクをはらんでいるのかもしれません。
資産の通貨を分散することは、リスクを軽減し、資産を守ることにも通じるのです。
また外貨預金をすると、世界経済に影響を及ぼすリスクやイベントによって、為替がどう動くか否が応でも関心が高まるでしょう。
世界の動きを自分事としてとらえ、経済や金融への理解や知見が深まります。それは仕事やこれからの人生にも必ず役立ちます。外貨預金にはそんなメリットもあります。
金融機関選びは慎重に! 単利or福利もチェック
一方でデメリットもあります。まず為替動向によっては損失を被る可能性があります。
外貨預金していたお金が急に必要になり、円に戻したら始めたときよりも円高(外貨通貨安)になっていて、お金が減ってしまった、ということにもなりかねません。
すぐに使う予定のない資金で余裕をもって始めることが肝心です。
また、金融機関選びも大きなポイントになります。というのも銀行によって金利や手数料、扱っている外貨が異なるからです。
店舗型の銀行よりもネット銀行の方が条件がよく、外貨の選択肢も豊富な場合が多いです。
代表的な通貨以外にも南アフリカランドやトルコリラ、メキシコペソなど高金利通貨に力を入れるネット銀行も少なくありません。
金利が低くてもメインで使っているメガバンクで始めたい、という場合は、キャンペーン金利が適用される期間に始めるといいかもしれません。
また初心者が陥りやすい勘違いとして、単利と複利を間違えるというのがあります。
単利とは元本だけに発生する利息で、複利とは「元本+利息分」に発生する利息です。複利で運用すると、利息がさらなる利息を呼び、資産が雪だるま式に増えていくため、長期で預け入れる場合は、ぜひ複利を選びたいものです。
どちらが適用されるかは、各金融機関の外貨預金商品によって異なります。
額面の金利につられて始めたけど思ったほど増えず、よく確認したら単利運用だったということもあります。
外貨預金は、単利か複利かをよく確認してから始めることも忘れないようにしましょう。