J-REITに投資する三つの方法とそれぞれのメリット・デメリット

少額から不動産投資をするならJ-REITがおすすめです。

J-REITとは、多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設などの不動産を購入し、その賃貸収入や売却益を投資家に分配する金融商品です。J-REITは高い分配金利回りが魅力で、現物不動産と同じように定期的に分配金を受け取れます。

また、売却益を狙うことも可能です。日本は低金利の状態が続いていますが、2017年以降のJ-REITの平均分配金利回りは4%前後で推移しています。J-REITに投資する方法は三つあり、それぞれ特徴があるため、投資方針に合わせて投資方法を選ぶことが大切です。

ここでは、J-REITに投資する三つの方法とそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。

J-REITに投資する三つの方法

J-REITに投資する方法は以下の三つです。

・J-REITの個別銘柄
・J-REITが投資対象のETF(上場投資信託)
・J-REITが投資対象の投資信託

J-REITは、2019年6月1日時点で63銘柄が証券取引所に上場しており、株と同じように自分で銘柄を選んで投資できます。

また、ETFや投資信託を通じてJ-REITに投資する方法もあります。ETFと投資信託は、投資家から集めた資金を複数のJ-REIT銘柄で運用し、得られた利益を投資家に分配する金融商品です。ETFは証券取引所に上場していますが、投資信託は上場していないのが両者の違いです。

以下では三つの方法それぞれのメリット・デメリットを詳しく説明していきます。

個別銘柄のメリット・デメリット

個別銘柄のメリットは、投資する銘柄を自分で選べることです。J-REITの銘柄を選ぶときは、以下のような指標が参考になります。

・分配金利回り
・分配金の推移
・投資対象不動産(オフィスビル、商業施設、賃貸住宅など)
・資産規模
・有利子負債比率 
など。

J-REITの分配金利回りは、2%台~6%超と銘柄によって大きな差があります。分配金を重視するなら、利回りが高い銘柄を厳選して投資することも可能です。ただし、その分リスクが大きくなることも同時に理解しておく必要があります。基本的にJ-REITは、安定的な分配金を特徴としている金融商品ですので、分配金は直近のものだけでなくこれまでの推移も確認しておくと良いでしょう。J-REITは銘柄ごとに投資対象の不動産が異なるので、オフィスビルや商業施設に投資する銘柄だけを選ぶなど、投資対象不動産で銘柄を絞ることもできます。資産規模が大きければリスク分散も効きやすいと言えます。また、有利子負債比率を確認し、財務が健全な銘柄を選んで投資するのも一つの方法です。

一方、個別銘柄のデメリットは、銘柄選びが難しいことです。投資する銘柄を選ぶには、分配金利回りだけでなく、さまざまな指標を確認する必要があります。分配金利回りが高くても、物件価格が下がって含み損を抱えてしまっては意味がないからです。

また、個別銘柄は2万円程度から投資できますが、なかには最低投資金額が大きい銘柄もあります。たとえば、日本ビルファンド投資法人(8951)の最低投資金額は75万7,000円(2019年6月7日時点:手数料考慮せず)です。このように、個別銘柄は用意できる資金が少ないと投資できない銘柄もあります。

ETFのメリット・デメリット

ETFでJ-REITに投資するメリットは、少額(数万円)からJ-REITの全銘柄に分散投資できることです。ETFで分散投資すれば、分配金や価格が大きく下落する銘柄があっても、ほかの銘柄で補えるのでリスクを抑えた運用が可能です。また、ETFは上場しているため、株と同じように自分のタイミングで売買できます。

一方、ETFのデメリットは、信託報酬(運用コスト)がかかることです。ETFの保有期間中は、運用資産に対して年率0.2%~0.3%程度のコストがかかります。たとえば、100万円分のETFを購入する場合、年間コストは2,000円~3,000円程度(100万円×0.2%~0.3%)です。後述する投資信託に比べると安く設定されていますが、保有期間中は継続してかかるので注意が必要です。

また、多くの銘柄は分配金利回り3%台で、J-REITの平均利回り(約4%)と比べるとやや低めに設定されています。そのため、分配金を重視する場合は物足りなさを感じるかもしれません。

投資信託のメリット・デメリット

投資信託でJ-REITに投資するメリットは、ETFと同じく少額から分散投資できることです。ETFは対応していませんが、投資信託は積立投資に対応しているので、手間をかけずに投資に取り組めます。ネット証券なら、100円から積立投資が可能です。

一方、投資信託のデメリットは、ETFと同じく信託報酬がかかることです。ETFに比べると信託報酬は高めに設定されており、中には年率1%を超える銘柄もあります。たとえば、100万円分の投資信託を購入する場合、年間コストは1万円(100万円×1%)です。

また、買付手数料や信託財産留保額(解約時に運用資産から差し引かれる費用)がかかる銘柄もあります。投資信託を活用するなら、できるだけ運用コストが安い銘柄を選ぶことが大切です。

おすすめの投資方法はどれ?

今回紹介した三つの方法の中で、おすすめなのはETFです。2,000円程度の少額から、分散投資でリスクを抑えながら運用できます。運用コストが低く、分配金利回りが3%を超えているのも魅力です。ETFは上場しているので、国内株式と同じ売買手数料がかかりますが、ネット証券なら手数料を無料にすることも可能です。たとえば、SBI証券や楽天証券には、1日あたりの約定代金を10万円以内にすれば、手数料は無料になるプランがあります。

また、自分の好みに合ったものを選びたいなら個別銘柄がおすすめです。銘柄選びに手間はかかりますが、各々の許容度に応じて利回りが高い銘柄への投資も可能です。ただし、利回りだけに注目し、ほかの指標を確認せずに投資すると、価格が下落して含み損を抱えるリスクがあります。投資する銘柄を分散させて、リスクを抑えることが大切です。

一方で、投資信託は運用コストが高い銘柄が多いので、あまりおすすめできません。見た目の分配金利回りが高くても元本を取り崩して分配に当てている場合もあり、また運用コストを差し引くと手元に残る利益は少ないことも珍しくありません。

この記事の監修者

北野 琴奈ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)

津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。実践型ファイナンシャル・プランナーとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。TBS「がっちりマンデー!!」「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。