J-REITの銘柄選びのコツ 注目すべきポイントについて解説

J-REITの銘柄選びで注目すべきポイントとは

J-REITは、複数の投資家から集めた資金で不動産を購入し、その賃貸収入や売却益を投資家に分配する金融商品です。少額から不動産に投資でき、投資額に応じて定期的に分配金を受け取れるメリットがあります。

また、J-REITの価格が取得したときより上昇すれば、売却して利益を得ることも可能です。2019年1月現在、J-REITは61銘柄が上場していますが、投資する銘柄を選ぶときはどのようなところに注目すればよいのでしょうか。J-REITの銘柄選びで確認したいポイントを紹介します。

J-REITの投資対象・種類を確認する


J-REITは、銘柄によって投資対象や種類に違いがあります。J-REITにどのような投資対象・種類があるのか確認していきましょう。

・J-REITの投資対象
J-REITが投資する不動産は、オフィスビルや商業施設、物流施設、住宅などさまざまな種類があります。たとえば、大都市のオフィスビルや商業施設は比較的安定した賃料収入が期待できますが、賃料は景気の影響を受けやすく、景気が悪くなると賃料が下がることトもあります。

一方、住宅は景気の影響を受けにくく、賃貸需要があるエリアの物件は賃料収入が安定しています。このように、J-REITは投資する不動産の種類によって特徴が異なります。

・J-REITの種類
J-REITは、投資する不動産の内容によって以下3つのタイプがあります。

①特化型(単一の用途の不動産に投資)
②複合型(2つの用途に投資)
③総合型(3つ以上の用途に投資)

たとえば、オフィスビルだけが投資対象の銘柄は特化型、オフィスビルと商業施設が投資対象の銘柄は複合型、オフィスビルと商業施設、物流施設が投資対象の銘柄は総合型になります。

複合型や総合型は、複数の用途の不動産に投資するため、特化型に比べるとリスク分散効果があります。単一の用途の不動産に投資したいなら特化型、リスクを分散したい場合は複合型や総合型の銘柄を選ぶのがおすすめです。

J-REITの基本情報を確認する


投資するJ-REITの銘柄を選ぶときは、その銘柄の基本情報を確認することが大切です。続いて、J-REITの基本情報で注目すべきポイントを紹介します。

・投資口価格(最低投資金額)
投資口価格はJ-REITの価格のことで、株式の株価に相当します。J-REITは、銘柄によって投資口価格や最低投資金額が異なります。

たとえば、日本ビルファンド投資法人(8951)の2019年2月19日時点の投資口価格は71万8,000円で、取引単位が1口であるため最低投資金額は71万8,000円となります。

また、インベスコ・オフィス・ジェイリート法人(3298)の同時点の投資口価格は1万5,920円で、取引単位が1口であるため最低投資金額は1万5,920円です。J-REITの銘柄を選ぶときは、投資口価格と最低投資金額を確認し、予算の範囲内で投資できる銘柄を選ぶとよいでしょう。

・分配金利回り
分配金利回りは、投資口価格に対する分配金の利回りです。J-REITは定期的に分配金を受け取れるため、投資する前に分配金利回りも確認しておきましょう。

分配金を目的に長期保有するなら、分配金利回りの実績も確認しておくのがおすすめです。予想分配金利回りの高さだけに注目せず、毎期安定して分配金が出ている銘柄を選ぶことが大切です。

・保有資産のポートフォリオ
投資するJ-REITの銘柄を選ぶときは、保有資産のポートフォリオにも注目しましょう。投資比率の上位物件を確認し、特定の物件に収益が依存していないかを確認することが大切です。

特定の物件への投資比率が高いと、その物件の運営がうまくいかなくなったときに分配金が減額される可能性があるからです。複数の銘柄を比較して、上位物件の投資比率の低さに注目するのもひとつです。

J-REITの参考指標を確認する

最後に、投資するJ-REITの銘柄を選ぶときに確認しておきたい参考指標を紹介します。

・NOI利回り
NOI利回りは、J-REITの資産効率を判断するための指標です。NOIとは不動産収入から不動産関連の経費を控除した純営業収益のことで、NOI利回りは「NOI÷ 不動産簿価」で算出されます。NOI利回りが高いほど、収益性が高い銘柄だと判断できます。

・NAV倍率
NAV倍率は、J-REITが割安かどうかを判断するための指標です。株式投資のPBR(株価純資産倍率)に相当し、理論上ではNAV倍率が1倍のときに投資口価格と純資産の価値が一致します。

NAV倍率は「J-REITの市場価格÷1口当たりのNAV(純資産総額±含み益)÷投資口数」で算出され、1倍より低いと割安な銘柄だと判断できます。

但し常態化すると、その後の成長ストーリーを描きにくくなる可能性もあります。

・有利子負債比率
有利子負債比率は、J-REITの資本効率や財務状況を判断するための指標で、総資産に占める借入金の割合を意味します。J-REITは資本効率を高めるために、借入金を利用して不動産を購入します。

有利子負債比率が低い銘柄ほど借入金の依存度が低く、財務が健全な状態だと判断できます。また、J-REITの各銘柄は規約で有利子負債比率の上限を定めています。有利子負債比率が低い銘柄は物件を取得する余地があるので、今後分配金が増加する可能性があります。

この記事の監修者

北野 琴奈ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)

津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。実践型ファイナンシャル・プランナーとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。TBS「がっちりマンデー!!」「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。