ETFの基本を解説!株式・投資信託との違いを理解して効率的に資産形成

個人の資産形成に役立つといわれるETFとは?

ETFは、株式と投資信託の両方の特徴を持つ金融商品です。株式のようにリアルタイムで取引でき、投資信託のように1銘柄で幅広く分散投資できます。この記事では、ETFの基本的な仕組みと、株式・投資信託との違いについて詳しく解説します。

ETFはリアルタイムで取引できる投資信託

ETFとは、Exchange Traded Fundの略で、「上場投資信託」のことです。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など、特定の指数に連動する運用成果を目指して運用される投資信託です。ETFは東京証券取引所など金融商品取引所に上場しているので、株式と同じようにリアルタイムで取引することができ、証券会社に株式の口座があればすぐに売買することができます。

ETFの銘柄数と種類

ETFには多くの種類があり、2019年現在228銘柄が上場しています(下図)。日経平均株価やTOPIXなど株価指数に連動するETFがメインです。ただ、日本株だけでなく、外国株や国内外の債券、REIT(不動産投資信託)、コモディティ(金や原油などの商品)など、さまざまな指数に連動するものがあり、海外の資産や商品、不動産に手軽に投資することができます。

出典日本取引所グループ

ETFと株式の違い

それでは、ETFと株式の違いを見ていきましょう。

少額で分散投資できる

株式投資は企業を選んで投資するので、運用成果は個別企業の業績に大きく左右されます。一方、ETFは投資信託であり、複数の株式や債券などを組み合わせた金融商品です。ETFの投資対象となる指数はさまざまな銘柄で構成されているので、一つのETFを選んで投資するだけで、少額で簡単に分散投資することも可能です。日経平均株価やTOPIXなど代表的な株価指数にも2万円前後で投資できます(2019年3月18日時点)。

配当金や株主優待

株式投資は配当金や株主優待などのインカムゲインも魅力です。ETFもインカムゲインとして分配金が出ます。株式の場合は、決算日である3月と9月に配当を出す企業が多いですが、ETFは1月と7月に分配金を設定する銘柄が多くなっています。

出典JPX

ETFの分配金利回りは平均1.89%です(2018年4月27日時点)。比較的分配金が高い外国債券やREIT ETFの平均利回りは2.53%となっています(2018年4月27日時点)。インカムゲインとしても魅力的な銘柄があります。ただし、ETFには株主優待はありません。株式をパッケージした金融商品でも対象が指数なため、個別企業の株主優待は受け取れないので注意しましょう。

ETFと投資信託の違い

ETFは株式市場に上場している投資信託です。通常の投資信託との違いについても確認しましょう。

ETFはいつでも売買できる

ETFは上場しているので、取引時間中なら株式と同じようにリアルタイムで取引できます。指値(値段を指定)注文や成行(値段を指定しない)注文ができるので、希望の価格で売買できます。
また、信用取引もできるので、「買い」だけでなく、市場価格が下落している時に「売り」から入り、価格が下がった後に買い戻す「信用売り」を行うことができます。このようにETFは柔軟に取引可能です。一方、投資信託は1日に1度算出される基準価格での売買のみとなります。

ETFは投資信託よりも低コスト

ETFと投資信託の違いは、「保有コスト」にもあります。保有コストとは「信託報酬」のことです。信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資家が保有している間に支払い続けるコストのことです。投資信託では0.1~2%程度かかるのが一般的ですが、ETFは0.06~0.95%と1%以下に設定されている場合が多いです。
投資信託は、販売会社(証券会社や銀行)、受託会社(信託銀行)、運用会社(投資信託運用会社)の3社に対して信託報酬を支払う必要があります。ETFは、販売会社に支払う必要がないので、保有コストが相対的に低くなるのです。

最低買付金額は投資信託より高い

ETFは、決まった売買単位に1口当たりの市場価格をかけ合わせたものが最低買付金額となります。株式より少額で購入できるETFは、約8割が最低買付金額3万円以下となっています。ただし、投資信託では100円から購入できるネット証券もあるので、より少ない資金で購入可能です。

ETFのデメリット 注意すべき点を理解しよう

これまでは、ETFと株式・投資信託との違いを主にメリットの面から見てきました。次はデメリットについても確認しておきましょう。

元本保証ではない

幅広い銘柄に分散投資しているので、リスクを軽減させることができるETFですが、相場によっては基準価額(株価)も低くなります。指数と連動するので値下りすることもあるのです。保有しているETFが元本を下回る場合もあるので、注意しましょう。

上場廃止や繰上償還の恐れがある

企業が大幅な赤字決算や不祥事などを起こすと、「上場廃止」になることがあります。取引所に上場しているETFも同じように上場廃止になります。ただ、突然売買ができなくなるのではなく、上場廃止が決定した後は整理銘柄に選定され、1カ月後に売買ができなくなります。また、投資信託の信託期間が終了する前に運用を終了する「繰上償還」の恐れもあります。

売買が少なく純資産が増えていないETFは注意が必要です。上場廃止や繰上償還のリスクを避けるために、なるべく出来高や純資産総額が多いETFを選ぶようにするとよいでしょう。それでは、最後にETF、株式、投資信託の比較表を確認しましょう(下図)。

ETF 株式 投資信託
購入場所 証券会社 証券会社 証券会社、銀行など
上場・非上場 上場 上場 非上場
取得価格 リアルタイム価格 リアルタイム価格 1日1回の基準価額
銘柄数 230前後 3,500前後 6,000以上
手数料 取得時 売買手数料 売買手数料 購入手数料
信託報酬 あり(低い) なし あり(低め~高め)
最低投資額 数千円~ 数万円、数十万円~ 100円~
分配金・配当・株主優待 分配金 配当金・株主優待 分配金

ETF投資についてのおさらい

この記事ではETFの特徴と、株式・投資信託との違いを解説してきました。ETFは、株式と投資信託のいいとこ取りの商品といえるので、銘柄数も毎年増えて人気が高まっています。利用のしやすさや分かりやすさから、これからも種類が増えて選択肢は増えていくでしょう。

ただし、元本保証でないことや、純資産が少ない銘柄は上場廃止などの恐れもあるので、きちんとリスクも踏まえた上で、ETF投資を始めるようにしましょう。

この記事の監修者

北野 琴奈ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)

津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。実践型ファイナンシャル・プランナーとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。TBS「がっちりマンデー!!」「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。