不動産投資のキャッシュフローが成功の鍵。計算方法や見直し術

不動産投資の最も基礎的な部分であり、一番重要なポイントといっても過言ではないのが「キャッシュフロー」です。不動産投資が初めて、もしくはこれから始めたいという人はまず、不動産投資におけるキャッシュフローを正確に理解することから始めましょう。そこで、この記事では不動産投資のキャッシュフローについて、その概要と具体的な計算方法、見直し術を解説していきます。きちんと理解して不動産投資の基礎をしっかりと固めましょう。

不動産投資のキャッシュフローとは

キャッシュフローとはキャッシュ(現金)のフロー(流れ)のことで、簡単にいえば「財布に入ってくるお金と財布から出ていくお金の流れ」のことをいいます。企業経営でもキャッシュフローという言葉はよく使われますが、不動産投資のキャッシュフローと企業経営で使われるキャッシュフローという言葉は少し意味合いが違ってきます。

企業経営におけるキャッシュフローとは「収入と支出の差である資産が多いか少ないか」という意味です。企業経営では掛け取引(売掛金、買掛金のこと)と呼ばれる取引方法が存在します。その時点では手元に現金がなくても、期日までにお金を振り込む、もしくは支払いを受けるという取引です。手元に現金がなければ銀行から借りている融資の返済ができません。そこで、企業経営ではキャッシュフローが重要になってきます。つまり、いつ売掛金が振り込まれて、いつ買掛金を支払わなければならないかを帳簿上で常に管理しなければいけないのです。

一方、不動産投資におけるキャッシュフローとは、「いかにして手元の現金を増やすか」を重視する考え方のことをいいます。不動産投資では売掛金や買掛金といった取引は行われないため、どのようにして収入を最大化し、支出を最小化するかを考えることを不動産投資のキャッシュフローというのです。不動産投資における収入とは家賃収入のことを指し、支出とは管理経費、融資への返済などを指します。つまり、家賃収入の最大化と経費、融資への返済額の最小化をいかに行い、少しでも多く手元に現金を残しておくかを考えるのが不動産投資のキャッシュフローです。

キャッシュフローの計算方法

不動産投資のキャッシュフローは簡単な計算式であれば【家賃収入ー経費ー返済】となります。家賃収入はそのままの意味です。物件のレントロールを見れば投資対象の家賃が分かります。経費とは、空室損・維持管理費・清掃費・エレベーター費用・修繕費用・固定資産税などのことです。もっとも、経費は物件の条件によって変わってきます。物件の競争力によって空室損や修繕費が変動し、木造か鉄骨かエレベーターの有無によっても全体の経費が変わってきます。そこで、一応の目安として20~25%程度の経費と見積もっておけば十分です。返済は銀行への融資資金の返済のことを指します。現金で購入した場合は返済の項目はなくなりますが、銀行から融資を受ける場合は毎月の返済額に注意が必要です。

なぜなら、銀行への返済は金利と融資年数の違いによってかなり大きな差がでるからです。一般的な感覚であれば返済期間は短い方が良いと考える人が多いですが、不動産のキャッシュフローを重視する考え方では融資年数が長い方が毎月の返済額が減るため、良いとされます。また、金利は当然ですが低い方が総返済額が少なくなるため良いでしょう。不動産投資のキャッシュフローを考えるうえでのポイントは融資年数を長く、金利を低く抑えることです。毎月の返済額をいかに減らすかが重要になってきます。

キャッシュフローがなぜ重要か

不動産投資において一番重要なのは「手元の現金がどうすれば増えるのか」という点です。財布に現金を入れてくれるものを増やし、財布から現金を取っていくものを減らすこの1点に尽きます。これを考えるのが不動産投資のキャッシュフローです。では、なぜキャッシュフローが重要なのか、それは「不動産を買い続ける資金を手元に残しておくため」です。

不動産を購入する方法は「現金で一括購入する」もしくは「融資を組んで長期間で返済する」の2つしかありません。手元に潤沢な資金がある人であれば現金で購入するのも1つの方法です。銀行への金利分の支払いもないため、家賃収入から経費を引き購入金額を上回った時点でプラスになり続ける本当の資産を手にすることができます。しかし、そんなことができるのは一部の実業家や特殊な才能を持っている人たちだけです。

一般的なサラリーマンや億単位の資産を持っていない人では現金で購入できる不動産には限界があります。そこで、多くの人が銀行から融資を受けて不動産を購入します。銀行の融資を受けるときに気を付けたいのが、上記でも紹介した金利と融資年数です。融資額が数千万、億単位になれば数%の金利差が何十万、何百万という差になります。さらに、木造の不動産を短い融資年数で購入した場合、毎月の返済額が高額になりキャッシュフローが悪くなる傾向にあります。

キャッシュフローが悪い状態=手元に現金がない状態で大規模な修繕が必要になった場合、どうなるでしょうか。毎月の家賃収入を得るために購入した不動産のはずが、貯蓄や本業の稼ぎをつぎ込まなければ維持できない状態に陥ります。こうなれば不動産投資は破綻してしまいます。したがって、銀行から融資を受けて不動産投資をする場合、いかに金利と融資年数を調整し毎月の返済額を減らして、手元の現金を増やしていくかが重要になるのです。そして、増えた現金を元手にして、キャッシュフローが良好な新しい物件をまた購入する。この繰り返しによって毎月の家賃収入を増やしていくのが不動産投資の王道です。不動産投資のキャッシュフローが重要というのはこういう意味が含まれているのです。

キャッシュフローの具体例

キャッシュフローの具体例を1つ計算してみましょう。東京都内の新築ワンルームを購入した例です。

物件価格:2500万円
家賃価格:8.5万円
頭金:15万円
融資金額:2500万円
融資期間:35年(年利1%)
毎月の返済額:7万円
年間諸経費:15万円
空室:0.5カ月
空室損:20万円

この物件の場合、年間の家賃収入は8.5万×12カ月=102万円です。表面利回りは102万÷2500万=約4%、この仮定でキャッシュフローの計算をすると以下の通りです。

キャッシュフロー=家賃収入ー経費ー返済=102万ー15万ー84万(7万×12カ月)=3万円
これは表面利回りが4%の場合なので、利回りが上がれば毎月のキャッシュフローがもっと良くなります。表面利回り10%、経費を20%前後に抑えるのが理想的です。この計算でどのぐらいの規模感で投資すればいいのかお分かり頂けましたでしょうか。これから不動産投資を行うという方はキャッシュフローに十分注意して投資対象を選ぶことが大切です。