自分に合った資産配分を提案してくれる

20~40代を中心に利用が広がるロボアドバイザーは、どのようなサービスなのでしょうか。魅力や活用法、国内の代表的なサービスを紹介します。

人生100年時代といわれる今、健康であることと同じくらい、老後のお金を準備することが大切になってきています。一方で、「資産運用を始めなきゃ!」と思っていても、何をどうしたらよいかわからず、投資の第一歩を踏み出せない人は少なくないでしょう。そうしたなか、手軽に投資を始められるサービスとして注目を集めているのが、「ロボアドバイザー(ロボアド)」です。

ロボアドとは、コンピューターのアルゴリズムに基づいて資産運用のアドバイスを行うサービスのこと。年齢や年収、現在の預貯金残高、毎月の貯蓄額など、いくつかの簡単な質問に答えることで回答者に合った資産配分(ポートフォリオ)を提案してくれるのが特徴です。

ロボアドには、「投資一任型」と「アドバイス型」の2タイプがあります。投資一任型は、ポートフォリオの提案とともに、投資対象の売買や資産配分の調整(リバランス)まで自動で行ってくれます。一方、アドバイス型はその名の通り、ポートフォリオのアドバイスのみを行うため、実際の取り引きは自分で行います。

投資初心者にとって大切なのは、とにかくまずは実践してみて、金融商品の値動きなどを経験することです。その意味では、アドバイスに加えて運用もおまかせできる投資一任型のほうが適しているでしょう。提案に基づいて自分で資産運用を行いたい中上級者は、アドバイス型が向いています。

100円から始められるサービスも

投資一任型のロボアドは、金融機関が提供する対面型の資産運用サービス「ラップ口座」と似ています。共通するのは、資産運用のアドバイス、ポートフォリオの構築、投資商品の売買、リバランスをまとめてまかせられるという点です。

ラップ口座は最低投資金額が数百万円かかるものが多く、金融機関の担当者に直接相談できる安心感がある半面、やや敷居の高いサービスといえます。その点、投資一任型のロボアドのなかには100円から始められるものもあり、投資初心者が手軽にスタートしやすいツールといえるでしょう。

ロボアドはインターネット上で相談や取り引きが完結するため、ラップ口座と比べて手数料が安いというメリットもあります。一般的に、ラップ口座は2~3%前後、ロボアドは1%前後という手数料設定になっています。ロボアドは主にETF(上場投資信託)を投資対象とすることから、信託報酬や売買手数料などのコストも低く抑えることもできます。

ただし、自分でETFや投資信託を選ぶことができれば、1%より安い手数料で資産運用を行うこともできます。まずは投資一任型のロボアドで資産運用を経験してみて、慣れてきたらアドバイス型に切り替えるといった使い方もひとつの手でしょう。7

無料で試せるサービスにまずは触れてみる

投資一任型の国内大手といわれるのは、ウェルスナビ、楽天証券の「楽ラップ」、お金のデザインの「THEO」、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問の「MSV LIFE」の4サービス。アドバイス型は、SMBC日興証券の「fund eye」、野村アセットマネジメントの「funds Robo」、みずほ銀行の「SMART FOLIO」など、さまざまな金融機関が提供しています。

質問数や提案されるプランの数は各サービスによって異なります。質問数が少ないほど手軽に利用できますが、質問数が多ければより自分に合った運用プランの提案が期待できます。

投資一任型であれば手数料に注目したいところですが、単純に高い安いを比べるのではなく、運用実績も合わせて検討するといいでしょう。無料で試せるサービスも多いので、まずは触れてみることが大切です。