ボーナスの一部を投資へ“資産運用”という新しい使い道

2018年のボーナスは夏・冬ともに好調 景気回復による業績拡大が要因か

月給以外に、まとまった収入が得られるボーナス。「これがあるから日々の仕事を頑張れる」という人は多いはず。旅行やレジャー、外食など“自分へのご褒美”にお金を使える絶好のタイミングといえます。しかし、つい使いすぎて後で後悔したことがある人もいるのではないでしょうか?

ボーナスは自分が今まで頑張って働いてきた対価です。貴重な収入だからこそ、一部を投資に回して、お金にも働いてもらいたいものです。次のボーナスでは“資産運用”という新しい使い道を検討してはどうでしょうか?

2018年の夏のボーナスは、経団連が発表した「2018年夏賞与の最終集計結果」によると平均95万3,905円で、過去最高額に達したそうです。景気が緩やかに回復していることから、多くの企業の業績が好調に転じていることが原因とみるべきでしょう。

また、来る冬のボーナスも、夏に引き続き好調の見込みです。労務行政研究所によると「2018年夏冬型年間協定ですでに決まっている年末一時金」の支給水準は、75万3,889円になるそうです。昨年度よりも2万8,397円増額し、増減率は3年ぶりに3%台まで上昇しています。

すべての企業が平均水準額を支給されるわけではないですが、夏・冬ともに各企業のボーナスは増加傾向のようです。とはいえ、好調な業績がいつまで続くかはわからないので、ボーナスの使い道は慎重に見極めたいところです。

よくあるボーナスの使い道 「堅実系」「贅沢系」「補てん系」

ボーナスの使い道は多岐にわたりますが、種類別に分けると「堅実系」「贅沢系」「補てん系」の3パターンがあります。

まずは「堅実系」。これには、預貯金などへの貯蓄が該当します。景気の良しあしにかかわらず、いつの時代も将来の不安は絶えません。万が一のときに備えて貯めるという選択肢は、根強い人気の使い道であり、非常に堅実的といえます。

次に「贅沢系」。これには、旅行やレジャー、外食などが該当します。いわゆる“自分へのご褒美”という側面もありますが、これからも頑張ろうと自分を奮い立たせる活力にもつながります。適度な贅沢や息抜きは上手なお金の使い方の一つといえます。

最後に「補てん系」。これは、生活費やローン、家電や車など高額製品の購入資金の補てんが該当します。年代や配偶者の有無など個人の状況により内訳が異なるのが特徴でしょう。例えば、子どもがいる家庭では入学金などの教育費の補てん、車や住宅のローン、高齢期に近づくと介護費用の補てんなどが代表的です。どれも費用がかかりますが、必要な資金であるからこそ、ボーナスを使ってまとまったお金を投入することは合理的な選択肢の一つといえます。

貯蓄の一部を投資に回す 低金利時代で預貯金だけではメリット薄

賢いボーナスの使い道として、貯蓄を挙げる人は多いのではないでしょうか。貯蓄はもちろんよいことですが、預貯金だけでお金を管理するのは不十分です。これからの時代、投資などの資産運用で「お金を増やす」ことも考えるべきでしょう。

なぜ、預貯金だけでは不十分なのでしょうか。それは、日本が深刻な超低金利時代を迎えているからでしょう。いまはどの銀行も超低金利で、利息はほとんど期待できません。参考として、06年から現在にいたるまでの普通預金の金利の推移を見てみましょう。

06年の普通預金の金利は約0.2%ですが、18年10月18日時点では0.001%まで低下しています。さらに、06年から現在にいたるまでの定期預金の金利の推移を見てみましょう。

06年の定期預金の金利は約0.4%ですが、18年10月18日時点では0.011%まで下がっています。バブル景気の頃には8%台もありました。近年の金利の推移を考えると信じられない数字に思えるかもしれません。

普通預金・定期預金の金利の推移を見れば、いかに深刻な低金利かが明白でしょう。利息により資産を増やすことは期待できないばかりか、最近の景気好調を考えれば、物価が上昇し、資産が目減りしてしまう恐れもあります。

85.7%が老後に不安 理由は「資金準備が不十分」

深刻な低金利や物価上昇も影響し、多くの人が将来の資産に不安を感じています。生命保険文化センターの「平成28年度生活保障に関する調査」によると、全体の85.7%の人が老後生活に不安を感じています。女性が男性よりも約6%高いですが、男女ともに8割を超え、性別問わず多くの人が不安を抱えていることがわかります。

具体的な不安内容に関して、同調査によると、「公的年金だけでは不十分」が80.9%と最も高い不安理由となっています。少子高齢社会による各種保険料の引き上げなどの負担増もある中、いずれ社会保障制度が立ち行かなくなるのではないかという懸念が原因でしょう。将来の資金が不十分だと考えている人は非常に多いようです。

将来の資金は自助努力で貯める 少額からコツコツ積み立て

もはや銀行に預金を預けているだけでお金が増える時代ではありません。年金などの公的保障があてにならない時代だからこそ、自らお金は自助努力で管理・運用する必要があります。

そこで、ボーナスが入り気持ちに余裕が出るタイミングに、思い切って資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。といっても、まとまったお金を一気に投資する必要はありません。将来の資金を貯めるためには、「少額からコツコツ積み立て」を意識することが大事だからです。

「少額からコツコツ積み立て」とは、一体どのようなものなのでしょうか。将来の資金づくりのためには、数年~数十年の長期間で運用をする必要があります。今まで預貯金で貯蓄していた分の一部を運用に回すなど、「少額からコツコツ」投資することが重要なポイントです。そのためには、毎月一定額を積み立てる「積み立て投資」が欠かせません。

投資初心者は、とくに「つみたてNISA」や「iDeCo」がおすすめです。「つみたてNISA」は年間40万円までの投資金額から得られた収益に対し、最大20年間の非課税措置が適用されます。まさに、「少額からコツコツ積み立てる」スタイルに適した投資でしょう。

「iDeCo」は個人型の確定拠出年金であり、とくに老後資金を貯めるのに特化した商品です。60歳まで自分で設定した掛け金を運用し、60歳以降に受け取るという仕組みです。原則途中解約はできないので注意は必要ですが、老後資金を補うという目的なら非常に適しているといえるでしょう。

また、「掛金が全額所得控除」「積立金の運用益は非課税」「給付金を受取る際に公的年金等控除もしくは退職所得控除が受けれらる」といった税優遇も大きな魅力です。

貯蓄から投資へ一歩踏み出すことは、ハードルが高いものです。金銭的にも精神的にも余裕が出るボーナスのタイミングだからこそ、自身の資産管理を今一度見直してみてはいかがでしょうか。

投資をするためにはまずは口座開設が先決です。つみたてNISAの場合は、金融機関や税務署の審査などがあり、口座開設に約1カ月程度かかってしまいます。次のボーナスが出る前に、まずは口座開設だけでもしてみてもいいかもしれません。

この記事の監修者

北野 琴奈ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)

津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。実践型ファイナンシャル・プランナーとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。TBS「がっちりマンデー!!」「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。