多くの主婦が悩む夫へのお小遣いの渡し方

日々の家計のやりくりは、どのようにすればベストなのか?と頭を悩ませている主婦の方は多いはず。そんな家計のやりくり項目の中でも、夫のお小遣いを定額で渡すべきなのか、必要な時に都度渡すべきなのかという問題は大きな悩みどころでしょう。

今回は、他のご家庭がどうしているのかのお小遣い事情を「マイナビウーマン」のアンケート調査から覗かせていただきながら、定額制、都度渡しのどちらを選べばいいのかを探ります。

定額制と都度渡しの割合は、ほぼ半々という結果

マイナビウーマンが2018年6月に、22歳~34歳の既婚女性398人、22歳~39歳の既婚男性389人に「夫のお小遣い」についてアンケート調査を実施しています。

このアンケートで夫のお小遣いの渡し方を女性に聞いたところ、51.8%が定額制を採用していると回答しています。
定額制か都度渡しかの選択は、ほんの少し定額制が多い程度で、ほぼ半々といった状況のようです。

定額制を採用している方の主な理由は、「ムダ遣い防止のため」「家計管理のしやすさ」「貯蓄をしたいから」とのこと。
定額制には夫の無駄遣いを防止して、お金を貯めやすくできる効果が期待されているようです。

一方で、同調査では夫からの以下のようなコメントが紹介されています。

「タバコ代くらいにしかならないから。とはいえ、言えばもらえるので不満はないと言えばないのだが、言わないともらえないのがきつい。」

必要に応じて、もらっているようですが、毎回奥さんにお小遣いの追加を申告することを負担に感じている方は多いようです。

また、お小遣いの金額が少なすぎると、「勝手に下ろす」という行動にもつながりかねません。そうなると、妻はお金を貯めているつもりが、知らないところでお金が減っているということになりますので、定額制にする場合は、「夫がストレスを感じない金額」を考えることも大切だと言えるでしょう。

必要な資金準備の目途がたっていれば、お小遣いの渡し方は管理のしやすいほうを選べばよい

定額制がいいのか、都度渡しがいいのか、結論を先にお伝えすると、子どもの大学進学時等にかかるお金や、住宅を購入したいならその頭金、さらには将来のご自身の老後のゆとり生活準備のための積立資金が確保できていれば、お小遣いの渡し方は、ご自身のお好みで管理のしやすい方法を選べばいいということになります。

子どもの大学進学等の時期に向けた積立目標の目安は18歳で200万円~300万円とするといいでしょう。老後のゆとり生活資金は手取り収入の最低1割の積立が目安です。住宅資金に関しては一般的には購入資金の2割の頭金を準備と言われていますが、無理して手元資金を頭金に充て過ぎて、購入後の生活が不安になるようなことは避けたいので、家計状況に合わせて頭金の目標設定をしてください。

これらの、確実に将来貯めなければいけないお金を毎月の収入から確保できれば、残ったお金を生活費や、お小遣いに割り振ります。

こうした将来への資金確保の目途がたっていれば、お小遣いの渡し方を定額制にするか都度渡しとするかは、ご自身が管理しやすい方法を選んで大丈夫です。

管理のしやすさなら定額制がお勧め

定額制の最大のメリットは、生活資金の中の「お小遣い費」を確定させることができるので、他の生活費のやりくりがしやすくなる点です。定額制にすることで、お小遣いの予算内で有効にお金を使おうという意識にもつながることが期待できます。

ただ、定額制にする場合、金額設定にはご注意ください。お小遣いを少額にし過ぎると、予算内でやりくりができない可能性がでてきます。足りなくなった時には報告してもらえればいいですが、足りない分を預金から勝手に下ろす、またはカード払い等で対処するようなことになると、夫婦間でのお金の情報共有ができていない状態となり、使途不明金の発生にもつながる可能性があります。

前出の調査では、夫のお小遣いの金額で最も多いのは2万円~3万円未満35.4%で、8割近くが4万円未満となっています。

その金額を夫はどう思っているのかも調査しており、48.5%の半数近くが安すぎると感じているそうです。

さらに夫のお小遣いの希望額は、約9割の方が5万円未満で希望しています。
お小遣い額を決める際の参考になるかと思いますので9割の内訳をまとめておきます。

■夫のお小遣い希望額
1万円未満       13.3%
1万円以上~2万円未満 20.4%
2万円以上~3万円未満 22.4%
3万円以上~4万円未満 20.4%
4万円以上~5万円未満 14.3%

夫は、今より極端にお小遣いの増額を望んでいる訳ではなく、あと少しだけ上げて欲しいといった気持ちが透けて見えてくる結果となっています。

都度渡しはお金の使い道を明確にできるメリットも


お小遣いを都度渡しにすることで、何に使ったのか分からない、お金がいつのまにか消えてしまう!といった使途不明金の発生を出にくくする効果が期待できます。

お小遣いを渡すたびに使い道を記録していくことで、お金を何に使っているのかを把握しやすくなりますので、無駄の発見もしやすくなります。

ただ、お小遣いを渡す側の記録の手間もかかりますし、夫もあまりに使い道のチェックが厳しすぎるとストレスにつながる可能性があります。

その厳しさが、無駄遣い防止効果にもなるかもしれませんが、やはりバランスを考えることは必要でしょう。

定額制と都度渡し。お小遣いの渡し方としてどちらが正しく、どちらが間違っているということはなく、それぞれのご家庭に合った方法を選ぶことが重要であると言えるでしょう。どちらを選ぶにせよ、気を付けていただきたいのは、「家計に無理のない範囲」で、「夫が過度なストレスを感じない」金額を、夫婦で相談しながら決めることです。

また、夫がお小遣いの金額が少ないことに不満を抱いている場合には、こういう目的でお金を貯める必要があり、そのためにはお小遣いは●●円になると、きちんと説明をしてください。そうすれば、夫もお小遣いの金額に納得してくれるはずです。