共働き世帯の産休&育休の現実 収入減にどう対処する?

出産はうれしいライフイベントである反面、収入減という厳しい現実も

出産は、新たに家族が増えるうれしいライフイベント。しかし、共働き世帯の場合、産休や育休に入ってからの収入減少、さらには出産後の育児にもお金がかかることを考えると心配になり、妊娠を機会に将来の生活に不安を持たれる方は多いようです。

今回は産休・育休による収入減への対処方法をご紹介します。

ストレスなく妊娠期間を過ごすため、妊娠を機会に家族で家計管理への意識を持っていただきたいと思います。産休・育休期間中は実際にどれくらい収入が減るのか、妊娠・出産でかかるお金や、もらえるお金を把握することから始めましょう。そうすることで、収入が減っている間の世帯ごとの必要な対処方法が見えてきます。

育休前半180日間の収入減は33%、残りの期間は50%減が目安

産休から育休前半180日までは約33%減、育休開始181日目から子どもが1歳になるまでは約50%減が収入減の目安です。

詳しく見ていきましょう。

まず、働いている女性が出産のために産休を取り、その給与がない休業補償として健康保険から「出産手当金」が支給されます。給付期間は出産の日以前42日から出産日後56日までの範囲内で休んだ期間です。出産手当金の1日当たりの支給額は次の計算式により決まります。

【支給開始日以前12ヵ月間の各月標準報酬月額の平均額 ÷ 30日 × 2/3】

例えば給与30万円の場合、
30万円 ÷ 30日 × 2/3=6,666.6円となり、支給される金額は1日当たり約6,667円となります。
産前42日、産後56日休んだとすると6,667円の98日分ですので、出産手当金はトータル約65万円受け取ることができます。

出産手当金の計算式から産休中収入は休み前の2/3、つまり約33%減が目安となります。

出産後57日目から子どもが1歳に達する日の前日まで育児休業を取り、給与がない期間は雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。支給額は育休開始後180日までは休業開始賃金日額×支給日数の67%、それ以降は50%となります。

以上から、育休前半180日間の収入減は33%、残りの期間は50%が目安となります。

妊娠・出産で「かかるお金」:妊婦健診の平均は5万円、出産費用の全国平均は50.5万円

国民健康保険中央会の調査によると、2016年度の出産費用の全国平均額は、約50.5万円です。同資料によると、出産費用は各自治体によって差があり、最高は東京都の約62.1万円、最低は鳥取県の約39.6万円で、関東地方が高い傾向にあります。

地域差はありますが、いずれにせよ出産は病気ではないため、基本的に健康保険適用外となり、出産費用は高額となります。

出産までの妊婦健診は各自治体から助成がありますが、助成金を超える分は自己負担となります。「たまひよnet」調査で妊婦健診でのトータル自己負担額は約5.8万円という金額が出ています。あくまでも平均額ですから、個人差はあります。妊婦健診の費用としては5万円から10万円ほどは準備しておくと安心でしょう。

「もらえるお金」を把握して、家計をやりくりしよう

妊娠・出産でもらえるお金については以下の通りです。

出産育児一時金

出産は病気ではないので、出産費用は全額自己負担となります。この自己負担の費用をカバーしてくれるのが出産育児一時金です。支給額は子ども1人につき42万円。前述の出産費用の大部分を賄えるだけのお金を受け取ることができます。

出産手当金

出産手当金は出産のために仕事を休み、給与が受けられない出産日以前42日から出産日後56日までの間、受け取ることができます。支給額の目安は休み前の標準報酬月額の約67%の金額です。

育児休業給付金

産休終了後の育児休業期間中に雇用保険から支給されるのが育児休業給付金です。支給額は育休開始から180日までは休み前の賃金日額の67%、181日目以降は50%です。子どもが原則1歳になる前日までが支給対象期間です。また父母ともに育児休業を取得する「パパママ育休プラス制度」を利用する場合には、支給対象期間は原則1歳2カ月までとなります。

さらに、保育所に申し込みはしているが入所できないなどの一定の要件に該当した場合には、最長2歳まで支給期間を延長することができます。

産休・育休中の社会保険料免除

産休・育休中は厚生年金や健康保険の社会保険料は免除され、将来受け取る公的年金額は免除された期間も保険料を払ったものとして計算されます。また、2歳まで延長して休業する場合も免除されます。

産休・育休による収入減は家計を見直すいい機会

共働き世帯の場合、2人分の収入があり余裕がある方が多いので、専業主婦世帯に比べて支出が多い傾向にあります。

共働きで、これまで2人分の余裕のある収入を自由に使ってきたというご家庭の場合、妊娠を機会に収入減に対応できるのかと急に不安になる方は多いです。

貯蓄はある程度あり、収入減の状態でも貯蓄を大きく取り崩す必要がないようであれば、それほど心配をする必要はないでしょう。ただ、出産後は育児費用として3万円ほどは生活費がアップすることは想定しておきましょう。それでも収入内でやっていけそうかどうかを確認することから始めてみてください。

とはいうものの、実は、貯蓄は収入が多い人ほどできるというものではありません。どちらかというと収入が多いほど将来への危機感を持つ機会がないためか、貯蓄ができていない傾向にあるというデータもあります。

もし産休・育休で収入減となる状態で、これまで、あまり貯蓄ができていないならば、貯蓄を始める絶好の機会ととらえて、出産前に家計の見直しにチャレンジしていただきたいと思います。
これまで貯蓄ができていない状態で、さらに収入減で毎月赤字になるようなら、抜本的な家計改善策にとりかかる必要があるでしょう。

具体的な方法としては、これまでお財布の管理は夫婦別々だった場合、お金に関する情報の共有作業から始めてください。お互いの収入や貯蓄状況を知らないご家庭は意外と多いです。フタを開けてみたら、2人ともが貯めていなかったということもあるかもしれません。そのような状況だと、産休開始後、すぐに赤字家計の道に入ることは簡単に想像できます。

妊娠・出産を機会に、収入が減った状態で使えるお小遣いの範囲などを夫婦で話し合ってみてください。

一時的に収入が減るといっても共働きの力は強力です。収入が減った状態でも毎月一定額のお金を貯蓄しながら、残ったお金でやりくりができるような家計管理の体制作りを始めてみましょう。

そうすることで、収入減になったとしても、お金のストレスなく産休・育休期間を過ごし、余裕を持って育児のできる環境を準備することができるでしょう。