FPがアドバイス! 同年代の家計簿から貯蓄術を学ぼう

収入から貯蓄分を差し引く “先取り貯蓄”でお金を貯めやすく

自分の家の家計状況を把握するうえで欠かせないのが家計簿です。お金の出入りを知ることで、何に無駄づかいをしているのか、将来に備えた貯蓄は十分なのか、家計の全容が明らかになります。それでは3つの家族の家計簿をのぞいてみましょう。

 

30代夫婦(子どもなし)のケース ~ 1割程度の頭金で早めに住宅購入

最初は、30代・共働きのAさん夫婦です。二人合わせた手取り収入は48万円になります。支出は食費の5万5,000円、家賃の11万円、おこづかいの8万円と、夫婦二人だけの暮らしを満喫しているようです。しかし、ゆくゆくは子どもがほしいという希望を踏まえると、二人ともフルタイムで働いている今が貯め時です。

子どものいない共働き夫婦の場合、手取り収入の2割が貯蓄の目安になります。Aさん家族は2割という水準をクリアしているものの、これからのことを考えて少しでも多くのお金を貯蓄にまわしたいところです。

ファイナンシャル・プランナーの畠中雅子さんは、「子どもの誕生を視野に入れるのであれば、賃貸ではなく持ち家を買う選択をしては」とアドバイスします。一般的に同じ住居費であれば、賃貸物件より持ち家のほうが広く、設備もしっかりしていることが理由です。二人目、三人目と増えたとき、あるいはもしも双子や三つ子を授かったときなど、子どもの人数や成長したときのことを考えると柔軟に部屋の間取りを変えることができる持ち家の方が安心です。

畠中さんは「家を買うのなら、なるべく早めに買うこと」とも言います。頭金をある程度準備してから買うほうが総返済額は少なくなるものの、その間の家賃を負担しなければならないからです。「1割程度の頭金が用意できたら早く購入し、後は繰り上げ返済していくほうが早めの完済を目指せます」(畠中さん)

なお、子どもを持たない選択をした夫婦の場合は、子どもの教育費を考える必要はありませんが、老後生活に備えて手取り収入の2割の貯蓄額という水準は死守すべきです。畠中さんは「最初に2割の貯蓄額を差し引き、残りのお金で生活費をやり繰りする“先取り貯蓄”を行うことでお金が貯めやすくなります」と助言します。

 

30代夫婦(子ども1人)のケース ~ 健康を損なう過度な食費節約は要注意!

続いてはともに30代の夫と妻、幼稚園の年中の子どもが一人のBさん家族です。妻が専業主婦のため、会社員の夫のみの収入になることから、手取り収入は28万円になります。

Bさん家族の家計簿で気になるは食費の低さです。収入に占める食費の割合は10%しかなく、「収入にもよりますが、一般の家庭であれば15~16%くらいが適切な割合です」と畠中さんは指摘します。食費を節約し過ぎると、米や麺類などの炭水化物に偏る傾向が強くなり、栄養バランスの面で問題があると言えます。

畠中さんは「家計を見直すならむしろ教育費」と言います。「子どもが小さいうちの習い事は1つか2つが適当で、月謝が2万円になるほど複数の習い事は多いでしょう。自治体などが主催する安価な習い事を探してみてはいかがでしょうか」(畠中さん)。

もう1つの問題点は、収入より支出のほうが多いこと。この赤字家計を改善するためには、おこづかいと趣味・娯楽費、貯蓄の見直しが必要です。おこづかいを4万円から3万円に、趣味・娯楽費を7000~8000円程度引き下げるとともに、あえて月々3万円という貯蓄額を2万円に減らすことで、家計の黒字化と食生活の改善を図ることができます。

 

40代夫婦(子ども2人)のケース ~ フルタイム勤務で教育費カバー

最後はCさん家族です。40代の夫と妻、小学5年生と中学2年生の子ども2人の4人家族になります。会社員の夫とパートタイマーの妻を合わせた手取り収入は43万円です。

Cさん家族の家計簿を見ると、月9万8000円の教育費が目に付きます。およそ10万円もの教育費がかかっているのは、中学2年生の子どもがクラシックバレエを習っているから。レッスン費用だけでなく、衣装代や発表会の会場代といったお金がかかります。畠中さんは「お子さんがまだ中学生なのに、教育費が家計の2割を超えるのは、支出バランスとして問題。収支も赤字に陥っていることから、お子さん自身はこの先もクラシックバレエに取り組む意思があるのか、親は子どもの気持ちに応えられるだけの資金準備があるのか、家族で一度話合ってみては」と話します。

もしも、子どもの気持ちが本気であり、親も全力で支援する覚悟ができたときは、まずおこづかいを5万円から2万円に減らすとともに、保険も住宅ローンを借りる際に加入した団体信用生命保険と保障内容が重複している生命保険を見直して2万円に抑制。「さらに奥様の仕事をパートタイムからフルタイムに切り替えることで、クラシックバレエや受験など、これから一段と増える教育費負担をカバーすることができます」(畠中氏)。

家計簿の役割は、我が家のお金にまつわる問題点を浮かび上がらせること。無理して毎日つける必要はなく、少しぐらいのつけ忘れも許容範囲と言えます。

自動車税や固定資産税、レジャー費など、不定期に発生するものはボーナスで支払う特別支出として家計簿から切り離すと、収支が黒字になるので家計簿をつけるモチベーションが高まります。4~6月の3カ月分だけ家計簿をつけて食費や水道光熱費などの年平均値を出す方法、あるいは食費といったつける回数が多い項目は週単位でまとめて計算するなどの方法を取り入れ、無理せずにわが家のお金の流れを把握しましょう。