20代から投資を始めたAさんがたどり着いた結論とは

根拠のない楽観論は禁物 地味な運用が結局は無難!?

みなさんの周りで、投資をしている人はどれくらいいますか? 会話に上らないだけで、始めている人は意外と多いかもしれません。どんな理由やいきさつで、投資を決断したのか。40代会社員のAさんに聞きました。

 

30万円があっという間に半分に

――Aさんが投資を始めたのは、いつ頃ですか?

社会人になって3年目くらいです。学生の頃の友人が「中期国債ファンド」を持っていて、定期預金じゃもったいないし、ほぼ元本割れもないしいいかなと思って、野村證券の渋谷支店に口座を開いて買ってみたのが始まりです。90年代後半でしたが、年3%くらいの利回りはありました。

――堅実ですね。株式投資はしなかったのですか。

当時は、そんな雰囲気はなかったですね。オンライントレードもまだなかったですし、証券会社に出入りする株好きのおじさんの世界でした。転機になったのは、2000年頃のITバブルですかね。広告の仕事をしている知人から、1年で50%も値上がりする投資信託の宣伝を手伝っていると聞いて、付き合いで買いました。そんなに値上がりするならと30万円分買いました。

――どんな投資信託だったのですか。

聞きなれない外資系の会社が日本株に投資するファンド(投資信託)でした。確かに、それまでの実績はよかったのですが、買ったとたんにITバブルが弾けて、あっという間に、半分近く値を下げました。がっくりです。

 

iDeCoでほのぼのした喜びを

――そのファンドは、どうしたのですか?

売るに売れず、塩漬けのままで今も持っています。ずっと元本割れの状態だったのですが、そういえば、最近届いた運用報告書を見たら、20年近く経ってようやくプラスになっていました。三井住友銀行でしか買えなかったので、口座を開いたのですが、このファンドしか付き合いがないし、支店に出向いたこともないので、どうやって売っていいのかわからない(笑)。

実は同じような時期に、何を血迷ったのか、いろんなファンドを買ってしまったことがありました。韓国株ファンドとかアセアンファンドとか、変なファンドが多かったのですが成績は日本株より、よっぽどよかったです。ただ、全体で見れば、10年の運用でもほぼプラマイゼロ。いったい、自分は何やってるんだろうなと思いました。投資に根拠のない楽観論は禁物だと痛感しています。

――いまは、投資していないのですか?

1年前からiDeCo(個人型確定拠出年金)を始めました。企業年金制度があるような会社じゃないので、少しでも老後資金を貯めておこうかと思って。お金ばっかりかかるアクティブ型のファンドはこりごりなので、リーズナブルなインデックス型で、日本株と世界株とREIT(不動産投資信託)と先進国債券に積み立てで投資しています。運用成績も年に数回しか見ませんし、すごくお金が増えているわけではありませんが、茶柱が立つような、ほのぼのした喜びは味わえます。長く続けるなら、安定的な運用が無難なのだろうなと思っています。

積立額の控除で所得税が安くなるだけでもやる価値ありですが、私は間抜けなことに最初の年、年末調整での申告を忘れてしまい1年後にそのことに気付きました。近くの税務署で確定申告したら、ちゃんと数万円分戻ってきました。ほっとしました。