高齢社会を迎える今後の日本において、老後のライフスタイルへの意識も変化してきています。定年を迎えれば誰もが、旅行や趣味に時間を使い穏やかな老後をスタートできるといった時代は終わりました。定年は65歳まで引き上げられ、年金受給額の引き下げも行われている今、定年後も何かしらの形で働かなければ生活できない人の割合が増加しています。

そのような時代において、これから定年を迎える50代、40代、30代のそれぞれの世代は、定年後のライフプランに対してどのような不安を感じているのでしょうか。公益財団法人生命保険文化センターが実施した調査「サラリーマンの老後のライフスタイルと生活設計に関する調査」の結果をもとに見てみたいと思います。

定年に最も近い50歳代は、具体的に老後のライフプランを考えている人がほとんどです。不安を感じる要素は下記のように年金関連でした。

  • 50歳代は、公的年金の給付額の減少と支給開始の遅れに不安を抱く

40歳代だと、年金制度に加えて、退職金についても意識するとの結果がでています。

  • 40歳代は、公的年金制度の破たん、退職金等に対する不安を最も強く感じている
  • 今後の収入の伸びについても不安を感じている

30代になると、まだ老後のライフスタイルを具体的に予想することができないとの結果となりました。

  • 30歳代は、まだ老後のライフスタイルの予想がつかない

まとめ

定年を控える50歳代は具体的に老後のライフプランを予想し、計画を立てているからこそ、年金制度等への危機感と不安を強く感じているようです。しかし、今後高齢化社会が進む日本において、更に厳しい状況に置かれるのは30歳代であると考えられます。年金の受給額は更に引き下げられるかもしれません。環境の変化があっても対応できるライフプランのために、30歳代であっても老後の必要資金についてシミュレーションしてみましょう。早いうちから手を打てるかどうかが、老後の生活の質に大きな差を生み出すでしょう。
調査に使用したデータ:「サラリーマンの老後のライフスタイルと生活設計に関する調査」

調査機関:公益財団法人生命保険文化センター
URL:https://www.jili.or.jp/