ポイント① 正しいプロセスで事前準備を行いましょう

まずは、キャッシュリザーブの確保を最優先事項に考えましょう。
キャッシュリザーブとは緊急時の生活費のことです。
病気や失業等の不測の事態に備えて最低限の生活資金を確保しておくことが重要です。
家族構成や加入している保険等により個人差はありますが、目安としては1~2年分の生活費を用意しておくと良いでしょう。

次に、投資目的・運用期間・運用開始後のルールを決めましょう
いつまでにいくら増やしたいかを把握することは資産運用において欠かすことのできないステップです。目標設定に応じて運用商品を選択することになります。

また、運用開始後のルールを決めておき、特に損切する目安は決めたルールを守るようにしてください。運用が好調な時はそれほど気になりませんが、不調になると急に不安になり、どうしていいかわからなくなることがあります。不調が一時的なものであれば問題ありませんが、注意が必要なのは問題が長期化した場合です。いつかは状況が変わり、損失も少なくなるだろうと考え、何もせずに放置してしまい、結果的に損失が拡大することはよくあります。
つまり、相場の見通しについて断定的な判断を行うことは危険だということです。経済ニュースやレポート等で「下がる可能性は低い」と言われていても下がることはあります。事前に損切の目安決めておけば判断に迷った時の助けになります。長期的な視点で考えれば、時には損失を確定することも重要です。

損切することで許容範囲内の損失で済み、損失の拡大を未然に防ぐことができるからです。

ポイント② 投資目的と運用期間に適したものを比較検討して選びましょう

数多くある運用商品の中から適切な商品を選ぶためにはメリット・デメリットをよく理解した上で比較検討することが重要です。

大きなポイントは安全性・流動性・収益性の3つです。
安全性と収益性を両立することは困難なため、3つの条件が全て満たされている金融商品はないと言えます。そのため、目標設定と照らし合わせて3つの中で優先順位を付けて商品を選択すると良いです。
同じような運用商品の場合には購入手数料等のコスト面を比較するのも1つの方法です。

ただし、理解はできても、これから投資を始める方が自分一人で比較検討することは困難です。
そこで、信頼できる相談相手を見つけることがポイントになります。相談相手になりそうな人を思い浮かべると、まず初めに銀行や証券会社等の金融機関が出てくるのではないでしょうか。
金融機関は情報量も豊富で最新のニュースから過去のデータまで幅広い情報を得ることができ、無料で相談できるので気軽に利用するには適していると言えます。ただし、金融機関は投資信託や保険等を販売することで手数料収入を得ているため、自社で取り扱っている商品を販売することを優先している可能性があります。容易に想像できると思いますが、偏った情報提供を受ける可能性もあり、購入後の情報提供が少なくなるケースもあるので注意が必要です。

おすすめの方法は複数の金融機関から情報提供・商品提案を受け、商品販売を行っていない中立性の高いファイナンシャルプランナーに相談することです。有料相談の場合が多く、余計な費用がかかってしまいますが、顧客目線のアドバイスが期待できます。手間と費用はかかりますが、慎重に資産運用を考えるのであれば有効な方法と言えます。

ポイント③ 定期的にモニタリングを行いましょう

モニタリングとは資産状況や家計収支の変化を確認することです。
定期的にモニタリングすることで状況の変化に対応できるようになります。

資産状況については、株式や投資信託等の場合には金融機関から郵送される取引残高報告書を確認してください。
基本的には数か月に1度程度で十分ですが、リーマンショックのような金融ショックが発生する可能性を考慮すると経済ニュースには日頃から目を通しておくのを習慣にしましょう。

家計収支については大きな変化が生じたタイミングで状況を整理すればよいでしょう。
例えば、出産やマイホーム購入等の生活環境が大きく変わるタイミングです。
このような家計に直結する変化は資産運用にも大きな影響を与えるため、資産運用の目的・期間を見直すきっかけにもなります。

また、モニタリングを長期間継続することを考えると、できるだけ手軽に確認できる仕組みを作っておくことも重要です。例えば、エクセルやスマホアプリ等を使って時系列で確認できるので便利ですよ。