常に時代の最先端を行く新築マンションの設備仕様。

モデルルームを見学すると、夢のような便利アイテムや先進のセキュリティを知ることができます。新築マンションの住宅提案は、まさに近未来の暮らしの象徴ではないでしょうか。

これらの先進設備の中から、新築マンション購入希望者が今もっとも注目している人気アイテムを紹介します。

お出かけや帰宅が身軽になる「ハンズフリーキー」

採用している新築マンションはまだ少数ですが、バッグや衣服のポケットに入れておくだけでエントランスのオートロックや自宅玄関の鍵が自動的に開錠できる「ハンズフリーキー」に注目が集まっています。

数年前まではエントランスやエレベーター、玄関近くに付いているセンサー部分に鍵をかざすと開錠される「非接触キー」が主流でしたが、ハンズフリーキーは手に鍵を持つ必要がないため、例え両手が荷物で塞がっていてもラクラクと室内に入れます。

ところで、「これと同じシステムをどこかで見たような…」と思われる方も多いと思います。そうです、自動車です。

マンションのセキュリティシステムは自動車産業に追随している部分が少なくありません。その先駆けは、トヨタ自動車の高級車「セルシオ」が採用した電子錠(非接触キーのルーツ)で、ハンズフリーキーもまた自動車技術に倣ったものです。マンション設備の進化は、自動車業界の発展によるところも大きいのです。

AIが家族の一員に?「スマートスピーカー」

ひと声かけるだけでTVや照明などの家電を自在に操れる「スマートスピーカー」を装備したAIマンションも、続々と登場しています。

スイッチのオン・オフだけでなく、音楽や映像の再生、気になる明日の天気や運勢をネット検索で教えてくれるなど、機能は多彩です。

さらに、自分より先に帰宅する家族に伝言(「冷蔵庫におやつが入っているよ」など)を残せたり、退屈なときに「しりとりしよう」「なぞなぞ出して」と声をかけると一緒に遊んでくれたりするので、一人暮らしでも寂しくありません。AIが家族の一員になる日も近いのでは、と感じさせます。

適温の霧に包まれて癒される「ミストサウナ」

水分を多く含んだ霧状の温風で体全体を優しく温めてくれる「ミストサウナ」も、最新機能の中で人気が高まっているアイテムです。ミストサウナは、ホテルや銭湯などにある高温のドライサウナとは異なる、低温・湿式のサウナです。

ミストサウナの室温は、湯船のお湯より少し高めの40度から50度程度ですが、湿度が高いため実際の温度より暖かく感じます。例え残業で帰宅が深夜になっても、浴槽にお湯を半分ほど張ってミストサウナを利用すれば、体が芯まで温まります。寒い冬はもちろん、夏場のエアコンで冷え切った体にも効果絶大です。

「湿度が高いということは、カビが発生しやすいのでは?」と、不安に思われるかも知れませんが、心配無用です。ミストサウナはそもそも浴室換気乾燥機に付帯している設備です。使用後に乾燥機を可動させれば浴室内はカラカラに乾きます。

加齢臭まで除去できる!?「マイクロバブルバス」

超微細泡の効果で、ボディソープを使わなくても毛穴の奥の汚れまで落としてくれる「マイクロバブルバス」を導入する新築マンションも増えています。

マジックで着色した肌の汚れがお風呂で流れ落ちるCMをご覧になったことはないでしょうか? あの映像はマイクロバブルバスの効果をよく表しています。

マイクロバブルバスの機能は汚れ落としだけに留まりません。入浴後は湯冷めしにくく、お肌がしっとりするモイスチャー効果も望めるため、女性を中心に高い評価を得ています。加えて「加齢臭」も落としてくれるとか。性別・年齢を問わずぜひ採り入れたい設備です。

生ゴミ減・防虫効果が期待できる「ディスポーザー」

時代が変わり、いまやキッチンの三種の神器は「食器洗い乾燥機」「ディスポーザー」「浄水器一体型シャワー水栓」と言われるようになりました。これらを導入したおかげで家事負担が劇的に軽減し、家族団らんやゆとりの時間が増えたという家庭も多いのではないでしょうか。

中でも食品のクズをシンク下で粉砕処理するディスポーザーは、生ゴミが減らせて害虫発生リスクも抑えられる秀逸な設備と言えます。

日本では1970年代から導入されましたが、その当時は公共下水道の処理性能が追い付かず、一時は行政から「ディスポーザー設置自粛」のお達しが出されたほどです。現在の下水処理能力は向上したもののそれでも足りないため、ディスポ―ザ―を装備する場合はマンション共用部に排水処理システムを設置することが義務付けられました。

すなわち、「ディスポーザー標準装備」の新築マンションは、排水処理システムを完備しているということです。ディスポーザーが欲しい場合は、そういったマンションを選ぶ必要があります。

テレワークでニーズが高まる「ワークスペース」

これまでのマンションはLDK(リビング・ダイニング・キッチン)を中心にいくつかの居室を組み合わせた間取りプランが主流でしたが、コロナ禍の影響によるテレワークの増加から、自宅にいながら仕事に没頭できる「ワークスペース」の必要性が重要視されるようになってきました。

すでに間取りプランに採り入れている新築マンションもあり、広さは1畳から3畳程度、Web会議の際に生活空間が映り込まないようレイアウトされ、またバーチャル背景やプロジェクターの投影が容易にできるフラットで大きな壁面を設けるなど工夫が凝らされています。

植物を愛でる室内空間「コンサバトリー」

暮らしにプラスアルファの潤いを与えてくれるのが「コンサバトリー」です。

コンサバトリーとは、花や観葉植物などを育てるガラス張りの部屋のことです。コロナ禍の影響で自由時間が増え、野菜や植物の栽培をはじめた方も多いのではないでしょうか。気軽に外出することがためらわれ、精神的に疲弊気味な昨今、身近な植物を愛でる時間は心に潤いを与えてくれます。

以前からバルコニーで植物を育てていた人も多いと思いますが、外に置いていた植物たちを室内の専用空間へ招き入れることにより、その成長ぶりを一層身近に感じることができます。

置き配も安心の「玄関前宅配ボックス」

コロナ禍によってよりニーズが高まった設備として「玄関前宅配ボックス」が挙げられます。

分譲マンションや賃貸マンションでは共用部への宅配ボックス設置はもはや常識ですが、これがさらにプライベートスペースに近づき、各戸の玄関前に設置されるようになったのです。

ソーシャルディスタンス順守のため、宅配の荷物やフードデリバリーも「置き配(配達人が家人と対面せず、自宅玄関前に荷物を置いて帰る)」の依頼が可能になりました。それと同様、宅配ボックスが玄関前にあれば、大きな荷物もできたての食品も直接室内へ運び込むことができます。玄関前宅配ボックスはまさに時代のニーズに合致した設備と言えます。

まとめ

ディスポーザーやハンズフリーキーなどのように、各戸が個別に行うリフォームでは後付けできない設備はいくつかあります。また、ミストサウナやマイクロバブルバスのように後付け可能な設備であっても、ジャストサイズの商品が見つからなかったり、リフォーム費用が予想以上にかかってしまったりする場合もあるでしょう。

立地や間取りにこだわることも大切ですが、設備に関しても慎重に、多くの候補物件を吟味して選ぶことをおすすめします。