本業を早期退職し、悠々自適な生活を送る…。そんな毎日を送ることができたら、どれほど幸せでしょうか。しかし実際には、資金はもちろんのこと、実現に向けて踏み出す度胸のある方は少ないでしょう。ところが一般的なサラリーマンであっても、方法によっては不可能ではありません。本記事では、アーリーリタイアに必要な資金と、実現するための具体的なプロセスを解説します。

そもそも「アーリーリタイア」の定義とは?

アーリーリタイアとは、その名の通り「アーリー=早期に」、「リタイア=仕事をしない」状況を作ることです。通常リタイアの年齢は、会社を定年退職して年金をもらい始める60歳~65歳ごろですが、アーリーリタイアは40代、もしくはそれより前になります。

アーリーリタイアと似た言葉に「セミリタイア」がありますが、完全なリタイアは、一切の仕事から手を引き、それまでの貯金や資産で生活するのに対し、セミリタイアは仕事を大幅に減らし、自由に重きを置いた生活を送ることを指します。アーリーリタイア後、完全にリタイアするケースと、セミリタイアするケースがあります。

アーリーリタイアのメリットは、なんといっても、若く元気なうちから自分の好きなことや、やりたいことに没頭できる点にあるでしょう。

一方デメリットは、リタイア後に子どもが誕生する、家族の介護が必要になるなどの想定外の出来事で資金計画が狂い、経済的なリスクが高まることが挙げられます。

アーリーリタイアに必要な資金

ところで、アーリーリタイアするためにはどの程度の資金が必要になるのでしょうか?

総務省統計局のデータ(2018年「家計調査」総務省統計局)によると、単身世帯の1世帯あたり1カ月間の消費支出は178,801円となっています。2人以上の世帯は287,315円です。

上記データにおける消費支出は、食料費や水道光熱費など、生活するのに不可欠なものが含まれますので、アーリーリタイアするのであれば、最低でも毎月上記金額は用意できなければなりません。

また、厚生労働省のデータ(2017年「平成29年簡易生命表の概況」厚生労働省)によると、男性の平均寿命は81.09歳、女性の平均寿命は87.26歳となっています。

仮に40歳でアーリーリタイアし、85歳まで生きると仮定すると、45年×12カ月=540カ月分の資金が必要となる計算です。

単身世帯=178,801円×540カ月=約9,700万円
2人以上世帯=287,315円×540カ月=約1億5,500万円

最低でも、上記の金額が必要です。もちろん、ただ生活できればいいというわけにはいきませんから、生活費以外に必要なお金も、別途用意しなければならないでしょう。

早い段階で「仕事以外の収益源」を確保しよう

アーリーリタイアを目指すのであれば、早期のうちに「仕事以外の収益源」を確保することが大切です。

仮にアーリーリタイアを貯金だけで賄おうとすれば、年収500万円で手取り380万円程度の場合、年に200万円ずつ貯蓄したとしても、50年弱かかる計算となり、現実的ではありません。配偶者や子どもがいれば、さらに必要な資金は大きくなります。

では、どうすればよいのでしょうか。やはり、投資への取り組みなど、本業以外の収益源を確保する必要があるといえるでしょう。それができれば、現役時代の可処分所得を大きくできるだけでなく、リタイア後の収入維持も可能です。

とはいえ株や投資信託、FXといった金融商品への投資も簡単ではありません。投資の神様といわれるウォーレン・バフェット氏の年間投資利回りはおよそ20%程度といわれていますが、同じ実績を重ねたとしても、元本が1,000万円なら年間200万円の利益にしかなりません。もちろん、ずっと20%で運用し続けられれば、理論上は複利効果で金額が大きくなりますが、現実には非常に難しいことです。

元手を増やすにはどうしたらいい?

バフェット氏の「年利20%」の例は、あくまでも非常に優れた成果が上がった場合の話です。当然、マイナスになることもありますから、それを加味すれば、平均して年利5%程度を目指すのが現実的なラインでしょう。とはいえ、それすら簡単なことではありません。

単身者の消費支出と2人以上世帯の消費支出について上述しましたが、いずれにしろ余裕ある生活をするには、年間500万円程度の資金はあったほうがいいといえます。

毎年年利5%を達成していくと仮定した場合、500万円を得るには、元手となる資金は1億円程度必要です。

では、この1億円を貯めるにはどのくらいの年数が必要でしょうか?

①年収500万円で手取り380万円の人、②年収700万円で手取り530万円の人、③年収1,000万円で手取り700万円の人について、それぞれ考えてみましょう。

最低限の生活に必要な資金として200万円程度を想定すると、

①年収500万円の場合
「可処分所得380万円」-「生活費200万円」=180万円
 1億円÷180万円=約55年

②年収700万円の場合
「可処分所得530万円」-「生活費200万円」=330万円
 1億円÷330万円=約30年

③年収1,000万円の場合
「可処分所得700万円」-「生活費200万円」=500万円
1億円÷500万円=20年

このようになります。

実際には、数十年間ずっと同じペースで貯蓄できる人はそう多くないでしょうし、年収が上がれば生活に必要な資金も上がるため、上記より時間がかかるはずです。

アーリーリタイアを目指すのに最も適した投資=不動産投資

アーリーリタイアには本業以外の収益源を確保することが不可欠ですが、収益源に「投資」を選択するなら元手が必要。年間の平均利回りを5%と仮定すると、1億円程度の資金が必要…! やはり、アーリーリタイアは難しいのでしょうか?

そこで、現実的な選択肢として浮上するのが「不動産投資」です。不動産投資は、対象の不動産を担保に融資を受けられるという特徴があります。例えば年利8%、物件価格1億円のマンションを購入する場合は、物件価格の1~2割となる1,000万円~2,000万円程度の資金を用意すれば大丈夫です。

仮に1,000万円の資金で売買価格1億円、年利8%の物件を購入した場合、物件自体の利回りは8%ですが、投資金額からすると1,000万円で1億円×8%=800万円ですから、年利は80%と考えることもできます。

不動産投資はこれほどまでにレバレッジを利かせた投資が可能なのです。

とはいえ、物件購入時点で借金を背負うことになるため、運営がうまくいかなかったときのリスクの大きさをよく理解しておくことは重要です。不動産投資をする場合、家賃収入から、「ローンの返済」「管理費や修繕費の捻出」「利益に課される税金の支払い」をする必要があります。

常に満室経営なら問題は起こりにくいですが、空室が増えれば即赤字です。返済が滞れば、金融機関に物件を差し押さえられ、売却後に手元に残るのは借金だけ…というリスクも当然あります。特に経営が安定するまでは、上記のようなリスクと常に闘っていく必要があるでしょう。そういった心配を軽減するには、投資物件の見極めとともに、不動産経営専門のアドバイザーを見つけることが近道となるのです。

まとめ

アーリーリタイアを目指すなら、本業以外の収益源を早い段階で確保しておくことが必要です。とはいえ、投資はそもそも元手がなければ大きく儲けることは難しく、元手を作るのには時間が必要です。その点を考えると、不動産投資は、対象の不動産を担保に融資を受けることができ、大きくレバレッジを効かせることができるという特徴があるため、サラリーマンでも検討しやすい選択肢であるといえます。もちろん、投資を始める前には、しっかりと収益が上がる物件の特徴を知っておくほか、あらゆるリスクについて知識を得、同時に専門のアドバイザーを見つけておくことが大切です。