「3組に1組が離婚する時代」…そんなニュースに聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。離婚へのハードルが大きく下がったいま、配偶者ありきで経済的な予想図を描くのは、リスクが大きすぎます。女性の場合は特に、配偶者の転勤や子育ての負担増大により、キャリアの継続が難しい点にも要注意です。本記事では、離婚にまつわる経済的な問題について、具体的なデータを参照しながら、婚姻中から収益不動産を保有しておくメリットを解説します。
「離婚件数」も「離婚率」も、加速度的に増えている
近年では離婚する夫婦が増えていますが、データから実際の数値を見てみましょう。
公益財団法人生命保険文化センター(「離婚件数が増えているというのは本当?」生命保険文化センター)によると、1980年に約14.2万件だった離婚件数は2017年に21.2万件へと増えており、およそ1.5倍となっています。
また、1980年の婚姻数は約77.4万件となっており、婚姻数に対する離婚数の割合を離婚率として表すと、1980年には18%程度だったのに対し、2018年(平成30年)には35%程度まで上昇している計算となります。
なお、厚生労働省のデータ(平成30年12月21日「平成30年人口動態推計の年間推計」厚生労働省)によると平成30年の推計で、1年間の婚姻数は59万件に対し、離婚数は20.7万件となっています。
婚姻数 | 離婚数 | 離婚率 | |
1980年 | 約77.4万件 | 約14.2万件 | 約18% |
2018年 | 約59万件 | 約20.7万件 | 約35% |
上記のように、離婚は件数としても、率としても、増加傾向にあることがわかります。
離婚したあとの生活を考えると、特に女性の場合は注意が必要です。なぜなら、いくら共働きを希望しても、配偶者の仕事の都合や、出産・子育て等によりキャリアを積めず、思うような収入が得られないリスクがあるからです。
離婚後にお子さんを育てるのは、多くの場合が女性であることを思えば、万一離婚した際の経済的な負担について、一度考えておいたほうがよいのではないでしょうか。
「片親家庭」の経済リスク…母子家庭はやはり不安要素が大!
ここで、厚生労働省のデータ(「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」厚生労働省)から母子家庭と父子家庭の割合の差を見てみたいと思います。
同データによると、母子世帯の推計世帯数は約123万世帯、父子世帯の世帯数は約19万世帯となっています。
母子世帯や父子世帯になった理由には、離婚以外にも死別や未婚などがありますが、母子世帯、父子世帯ともに離婚を理由とする割合が8割程度であることから、やはり離婚後は女性のひとり親となる世帯が多いことが分かります。
推計世帯数 | 離婚理由 | 離婚を理由とするひとり親 | 割合 | |
母子家庭 | 約123万件 | 79.50% | 約98万件 | 87.5% |
父子家庭 | 約19万件 | 75.60% | 約14万件 | 12.5% |
※推計 | ※推計 |
なお、同データによると、父子世帯の父が就業している割合91.3%に対し、母子家庭の母が就業している割合は82.1%となっています。
離婚後には夫婦のどちらかがお子さまを養育していくことになりますが、その際の養育費の支払いはどうなっているでしょうか。
こちらも厚生労働省のデータ(「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」養育費の状況)を見てみると、母子家庭の母で「現在も養育費を受けている」と回答した人は24.3%、「養育費を受けたことがある」と答えた人が15.5%ある一方、養育費を受けたことがないと答えた方の割合は56.0%となっています。
なお、母子世帯の母が離婚時に養育費の取り決めをしなかった割合は54.2%で、そのうちの38.6%が「相手に支払う能力や意思がないと思った」、31.4%が「相手と関わりたくない」ということを理由にしています。
いずれにせよ、離婚後にしっかり養育費が支払われている世帯は少数派であることが分かります。
子育てにはいったいいくら必要か?
離婚後、自分一人なら仕事をして生きていくのは難しくないでしょう。しかし、お子さまがいるとそうはいきません。日常生活にも教育にも、大きなお金が必要となります。では、お子さまを育てるのにどのくらいのお金が必要になるのでしょうか。データを見ながら解説していきたいと思います。
●出産から22年間の養育費の平均は、1,640万円!
ベネッセの記事(2015年9月10日「【保存版】子育てにかかる費用のすべてを解説します」ベネッセ教育情報サイト)によると、出産から22年間の養育費として必要なお金は1,640万円となっています。
養育費とは、学校や習い事にかかる費用などの「教育費」ではなく、食費や衣服代、おもちゃ代などのことです。お子さまを育てたことのある方であれば、教育費以外にもさまざまなお金がかかることは実感として持っているのではないでしょうか。
●進路によって大きく異なる「教育費」
一方、学習塾や学校費用など、教育費にかかる部分はどのような進路を選ぶかによって大きく変わっていきます。同データによると、幼稚園から大学まですべて国公立に行った場合の教育費と養育費の合計は2,651万円、一方、幼稚園と高校を私立、大学を私立理系にした場合の教育費と養育費の合計は3,180.5万円となっています。
大学に行かないケースではもう少し教育費は安くなりますが、親としては、お子さまがどのような道を選んだとしても不自由のないようにしてあげたいと思うのではないでしょうか。
結婚生活の保険としての「不動産」
結婚前、もしくは婚姻中から離婚のことを考えるのはどうかと思う方もいるかもしれません。しかし、備えておいて損はしないでしょう。結婚生活中に安定した収入を構築してしまえば、離婚しなかったとしても助かる部分は多いはずです。
このように、離婚の備えとして、また離婚しないまでも相良の安定的な収入のためにぴったりなのが不動産投資です。
以下、なぜ結婚生活保険として不動産がおすすめなのか見ていきましょう。
●不労所得になる
不動産投資は、入居者管理や清掃など管理業務が必要になりますが、管理会社に管理費用を支払えばすべて代行してもらうことができます。
もちろん、経営者として自分で判断しないといけないことは多いですが、本業の仕事をしながら、子育てをしながら、不労所得を得られるという点はメリットが大きいでしょう。
●いざというときに売却できる
不動産は、いざというときは売却してまとまったお金を手にすることもできます。
お子さまの大学進学などここぞというときに、どうしても資金が足りないときには売却という方法があると考えると、安心できるのではないでしょうか。
●団体信用生命保険の活用
不動産投資で不動産を購入する際、ほとんどの場合でローンを組みますが、ローンには団体信用生命保険がついています。
団体信用生命保険とは、ローン返済途中で、万が一主債務者が亡くなってしまったときは、ローンの残債をゼロにできるというものです。あまり考えたくないことですが、離婚後、返済途中で亡くなってしまった場合、お子さまを路頭に迷わせてしまうことになります。
しかし、不動産投資でローンを組んでいれば、団体信用生命保険が適用されて、お子さまはローンのついていない収益不動産を手に入れることができるのです。
家賃収入を生活費とすることもできますし、売却してまとまった現金を手に入れてもよいでしょう。
ベストは「結婚前の購入」…あらゆるリスクを見越した人生設計を
結婚生活の保険として不動産投資を始める場合、ベストは結婚前に購入してしまうことです。婚姻期間中に購入した財産については、名義にかかわらず夫婦のものと見なされてしまうからです。婚姻期間中に購入した不動産であれば、名義にかかわらず財産分与の対象とされてしまいます。
とはいえ、独身のころから不動産を購入できるという方はそう多くありません。もちろん、結婚してからの購入でも不動産投資のメリットは大きいです。結婚後に不動産を購入することになった場合の注意点ですが、まず、名義は夫婦共有ではなく単独にするようにしましょう。夫婦の収入をベースにローンの借入額を算出していた場合、離婚後にどちらかの単独名義でローンを借り換えることが難しくなる可能性があるからです。
また、配偶者を連帯保証人としてつけることが求められることもありますが、これもやめておきましょう。
両親などに頼むか、それが難しければ、法人化してしまえば自分と法人とでローンを組むことができるはずです。