日本は各地で甚大な被害をもたらす豪雨、大地震など、毎年のように自然災害が起こっている国です。不動産投資を行う際は、決してそのリスクを軽視することはできません。今回は、ぜひ押さえておきたい自然災害のリスクと、前もって取っておくべき対策、それから有効なリスクヘッジについてご紹介します。

不動産投資における災害リスクとは

不動産投資に影響を与える災害といえば、「地震」と「水害」の2つが代表的です。

・地震
東日本大震災、熊本大震災といった大地震は、不動産が大きな影響を受ける災害です。さらに地震は津波も引き起こします。例えば阪神淡路大震災は、主に地震の揺れによる全壊や半壊がかなり多くあった地震なのですが、東北大震災は津波の被害が大きかった地震でした。不動産取引を行う際には、「津波災害が起こりやすい地域かどうか」ということについて、しっかり説明を聞いておく必要があります。

・水害
大雨、台風、洪水などによって、物件に影響を及ぼす水害。さらにはそこから派生する崖崩れ、河川の氾濫なども水害の一つです。ゲリラ豪雨や集中豪雨が最近ではよく発生するようになっているので、特に警戒する必要があります。

特に、床上浸水や床下浸水、水漏れが起ると、建物に被害を及ぼします。台風によって建物が破損してしまうことも起こります。そのような場合の水の排水、乾燥、消毒、リフォーム工事が、すべて投資家の負担になるのです。

災害リスクへの対策

このような災害を食い止めることは不可能ではありますものの、前もって様々な対策を施すことによって、リスクを軽くすることはできます。代表的な対策例を、ここでは4つご紹介します。

・火災保険への加入
火災保険に加入しておくことは不可欠と言えるでしょう。現在では落雷や水害を始め、盗難や集団による暴力行為、それから建物外部からの物体の飛来による破損にも対応している火災保険がほとんどです。補償範囲や保険料をよく見比べて、適切なものを選びましょう。

・地震保険の加入も考える
基本的には火災保険とセットで加入することができ、地震保険単体では加入できないのが一般的です。金額は大体30%~50%くらいを上乗せするのが相場。やはり最近の地震の多さなどから考えても、そのリスクについて対策をしっかりと取っておくことは賢明と言えるでしょう。

・耐震性のチェック
物件の耐震保証がされているかどうかも重要です。日本で耐震基準が決められたのは1981年。さらに2000年に決まった基準では、それよりもレベルが高いものが要求されています。ですので、1981年以前はもちろん、2000年以前に建てられた物件も、その耐震性についてよくチェックしておきましょう。

・地域の「ハザードマップ」のチェック
ハザードマップとは、自然災害の起こりやすさを予想して、マップという形で視覚化したものです。これを見れば、どこの地域が地震や洪水、津波などに弱いかがわかります。国土交通省や各自治体のホームページにて、無料でチェックできるのでしっかりと確認しておきましょう。

メリットその1――立地条件が良いことが多い
賃貸マンションが供給過多になりがちの現在ですが、都心の主要駅の近くなど、需要の高い物件が区分マンションなら無理のない金額で購入できます。一棟物件などではいい立地の物件がなかなか出にくいですし、災害が起こると一棟すべてが被害を受けることも考えると、やはり区分投資が安心で確実です。

メリットその2――突然の出費が必要になるケースが少ない
マンション一棟買いの場合では、水道などの設備が壊れたときに突発的な出費が必要になります。全体が壊れても、一部壊れてもすべて責任を負う必要が出てくるのです。しかし区分であれば、その所有している一部が壊れたときだけ責任を負えばいいので、災害リスクに強いと言えます。

メリットその3――リスクを分散できる
一棟買いでマンションを購入した場合は、その場所に何か災害が起きたら、完全に収益がなくなります。しかし区分マンションという形で複数の場所に投資をしておけば、一部が被害を受けた場合でも他の場所はなお収益が出続け、安定性が増します。
今回は不動産投資を行っている方に向けて、自然災害が起こるリスクとその対策についてご紹介してきました。特に、まだ不動産投資を始めたばかりなら、対策は入念に練っておきたいところ。「区分投資」という形でリスクをできるだけ分散し、こういったトラブルに影響されにくい手堅い投資を選ぶのがおすすめです。