低金利の今は不動産投資のチャンス?!

不動産投資というと、初期費用が高くほかの資産運用よりもハードルが高いと感じている人が多いのではないでしょうか。

また、住宅ローンをすでに組んでいる方は、不動産に投資するのに新たにローンを組めるのか心配している方もいるかもしれません。

住宅ローンや不動産投資ローンは、日銀が2016年2月にマイナス金利政策を開始して以来、前よりも借りやすくなっているので、注目している人も多いでしょう。

住宅ローンがある人が、これから不動産投資を始めるにはどうしたら良いのか、両ローンの違いや注意点などを解説します。

住宅ローンと不動産投資ローンの違いは居住用かビジネスか

不動産に投資をするには、金融機関から融資を受けるのが一般的です。たとえ多くの貯金があったとしても、一括で全てを現金で支払う人は稀でしょう。これは住宅ローンでも投資用ローンでも同様です。

住宅ローンは、自分が居住する家を購入するための借入れです。一方、不動産投資ローンは、投資用物件を購入するための借入れです。

つまり、不動産投資で融資を受ける目的は、賃貸マンションやアパートなどを購入し、当該物件を運営・運用することで収益を得ることにあり、よりビジネスに近い文脈で使われるローンといえます。

不動産投資ローンの審査ではどんな項目がチェックされる?


不動産投資ローンを組む際には、住宅ローンの時と同じく審査があります。金融機関によって多少の違いはありますが、審査のポイントは「個人の属性」と「投資物件の収益性」です。

「個人の属性」とは、勤務先企業や勤続年数、年収、貯金などの自己資金といった項目で、住宅ローンと同様に個人の返済能力がチェックされます。

「投資物件の収益性」では、投資する賃貸マンションなどの立地や築年数、入居稼働率などの条件から見込める収益性の高さを審査します。対象の不動産の採算性を示す「利回り」が融資を受ける評価軸の一つです。

年間賃料を物件の購入価格で割ったものを「表面利回り」と呼びます。例えば、賃貸アパートの賃貸収入が年間1,000万円見込める物件を1億円で購入する場合

1,000万円 ÷ 1億円 × 100=10% 

となり、表面利回りは10%です。しかし、実際には、物件の購入金額のほか、物件の管理費や不動産取得税などの諸費用がかかってくるので、表面利回りではなく、それらを加味した「純利回り」が重要になります。

投資物件の収益性の高さを評価するもう一つの軸は、物件の「資産価値」です。物件の価格が売却時にも高く維持されそうであれば、資産価値の高い物件ということになります。

不動産投資の収益は、物件の貸出により得られる賃料収入「インカムゲイン」と、物件の売却により購入時価格との差益で儲ける「キャピタルゲイン」があります。審査される収益性はこの2つです。

不動産投資ローンの内容

金融機関から不動産投資の融資を受けるには、年収500万円が最低ラインといわれています。金利の低いメガバンクなどから借りる場合は、年収1,000万円程が目安でしょう。

金利には固定金利と変動金利があります。後者の方が金利が低い反面、変動するので返済計画が立てづらくなります。

金利は半年に1回、返済額は5年に1回見直されます。金利の上昇により返済額が増加した場合でも、返済額の増額はそれまでの返済額の25%までと決まっています。

金融機関のほか、不動産業者も提携ローンという不動産ローンを提供している場合もあり、金融機関よりも好条件で融資を受けられることもあります。

住宅ローンがあっても不動産投資はできる


住宅ローンと不動産投資ローンの違い、不動産投資ローンの審査と内容を見てきました。住宅ローンがあっても不動産投資ローンを組むことは可能ですが、いくつかの注意が必要です。

・不動産ローンの借入れ上限額が低くなる可能性がある

不動産ローンの審査項目に「個人の属性」があり、返済能力がチェックされていることを確認しました。

不動産投資ローンの返済原資はインカムゲインですが、仮に空室が続いた場合、貯金を切り崩すなどして返済金にあてなくてはいけなくなるため、住宅ローンの残債が借入れ限度額から差し引かれるなどの制約は考えられます。

・金利が上がる可能性を考慮に入れる

多くの人がより金利の低い変動金利を選択しています。現在はマイナス金利で一層金利が低い状態です。

しかし、上記でみてきた通り、経済状況に応じて金利の見直しは半年に1回実施されていますので、今後、金利が上昇する可能性を考慮すべきです。

・賃貸価格は下がる前提で返済計画を立てる

通常は築年数とともに物件の人気は下がります。空室を回避するためには賃貸価格を下げざるをえず、インカムゲインは減少します。

また、売却のタイミングによってはキャピタルゲインを得られず損失を出してしまうこともあるでしょう。

住宅ローンがある人が不動産投資ローンを組む際は、複数の金融機関や不動産業者に見積もりをもらい冷静に二重ローンの状態を分析しましょう。余裕を持った返済計画を立てる必要があります。