銀行預金はお金が減らないと安心していませんか?

元金が減らないため、資産のほとんどが銀行預金という人は多いのではないでしょうか。

でも、実はインフレが進んだ場合、銀行に預けているお金の実質的な価値が目減りしてしまうというのはご存知でしょうか?

大切な資産が目減りしないよう、インフレに強い資産や資産運用のポイントを紹介します。

日本人は預金好きと言われています。その傾向は統計でも明らかです。2018年8月に公表された日銀の「資金循環の日米欧比較」によれば、家計の金融資産に占める現金・預金の割合は、米国が13.1%、ユーロエリアが33.0%のところ、日本は52.5%と過半数を超えています。

対して投資信託や株式は合わせて14.9%と、48.0%の米国とはかなり差があります。

この結果は日本人の慎重、堅実といった気質以外に、かつて銀行に預けておけば、利息だけでかなり資産が増えていた影響もあるでしょう。

しかし、バブル時代には5%以上だった1年物の定期預金が、いまや長引く低金利によってメガバンクで0.1%以下です。

10万円を1年間預けたとしても、100円も増えない計算になります。

もちろん預金には元金が減らないという利点はあります。ところが、インフレが進めば、預金の実質的な価値は目減りしてしまいます。

例えば100円で買えたものが、インフレによって110円を払わなければ買えなくなった場合、モノの価値が1.1倍上がった分、お金の価値が下がったことになります。

預金金利が低いまま、インフレが進めば預金が目減りしてしまうわけです。

インフレに強い株や現物資産は複利効果で収益に大きな差が生まれる


大切な資産をインフレで目減りさせないためには、資産運用という手があります。インフレに強い資産に投資することで、資産の目減りを抑制できます。

インフレに強い資産としては、株や不動産、金などが挙げられます。

株であればインフレ時には企業業績の拡大が期待できますし、不動産や金といった現物資産であれば、その時の価値で換金できるため、インフレ対策になります。

とはいえ、すべての資金を投資にあてるのは禁物です。あくまでも投資は余裕資金の一部で行うのが鉄則になります。30代の人のなかには、資金的な余裕がない人もいるでしょう。

しかし、30代の人には時間という強い味方がいます。少ない資金でも毎月コツコツと投資していけば、退職するまでにかなりの積立期間を確保することができます。その間にかなりの資産を築けます。

さらに運用で得た収益を再び投資する、いわゆる利息が利息を生む複利効果を享受することで資産をより効率的に増やすことができます。

例えば毎月1万円を運用せず、30年間積み立てていくだけなら360万円になりますが、年3%で運用していけば約580万円(税引前)になります。

時間と運用収益を味方にする複利効果によって200万円以上の差が生まれるのです。

30代だとなかなか老後のイメージがつきにくく、本腰を入れて資産形成に取り組むのは難しいかもしれません。

でも、毎月少額ずつ投資する積立投資を活用すれば、資金的な負担感もなく気軽に始められるでしょう。

資産形成を早く始めれば、その分時間が強力な味方になってくれます。インフレに備えて今から資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。