小さく始めて大きく育つ、REITから不動産へのリレー投資とは?

最近何かと話題の「老後資金2,000万円不足問題」。仕事による稼ぎがなくなる定年後の収入で、すぐに思い浮かぶもののひとつに「投資用不動産による家賃収入」があげられるでしょう。不動産を買いたいと思っても、例えば20代・30代で、高額な不動産をいきなり買うのは難しい人が多いと思います。
そんな人におすすめなのが、少額投資が可能なので心理的抵抗が少ないREIT(リート:不動産投資信託)からスタートし、実物不動産へ投資対象を乗り換える「リレー投資」です。今回はこのリレー投資についてご紹介いたします。

リレー投資とは


少額の投資資金で始めた積立投資金が、ある程度まとまった資産になった時に売却し、より大口の資産や、同様の性質を持つ資産に一括で乗り換えることを「リレー投資」といいます。バトンを渡すリレー競技のイメージに近いので「リレー投資」と呼ばれています。

リレー投資には、REITから不動産に乗り換える、東証株価指数(TOPIX)に連動する投資信託(投信)からTOPIXに連動するETF(上場投信)に乗り換える、定期預金から日本国債へ乗り換える、などの方法があります。

REITから実物不動産へリレー投資する際の具体的なイメージをあげてみましょう。実物不動産を買うには、保証金や頭金等の資金を準備しておく必要があります。将来不動産を買いたいタイミングになるまで全てを現金で準備するのは大変なので、REITを使い、なるべく早くからコツコツ資金を貯めます。然るべき時がきたらREITを売却し、その資金で実物不動産を購入。保有資産を乗り換えます。

その後は、購入した実物不動産の毎月の住宅ローン返済代金(実物不動産は高額なので、通常はローンも併用して購入します。)を資産運用の積立資金に見たてて、投資対象資産としての不動産へ積み立てを継続するイメージになります。

なぜREITから実物不動産に乗り換えるのか

では、現金を貯めて直接不動産を買うのではなく、わざわざREITから始めることにメリットがあるのでしょうか。

個人差はありますが、保有する資産は、無リスク資産(預貯金や国債、為替ヘッジ付先進国債券)とリスク資産(株式・不動産・REIT・外国債券など)の割合を基本的には1:1とするのが原則です。あとは家計の経済状況などによって、よりリスク資産を増やすかどうか決めていきます。

巨額の現金でいきなり実物不動産を買ってしまうと、一気に保有する資産の配分が崩れます。運用資産をまとめたポートフォリオの中で、安全資産としての現金が急減し、リスク資産である実物不動産の割合が急増してしまいます。

資産運用の原則は、長期・分散・積立です。
経済的・時期的にいつ始めるかというタイミングに捉われることなく、なるべく長く、十分にリスク分散された資産配分を保ち、コツコツ積立投資をし続けることが大切になります。一度に儲けようとしてリスクを急激に取り過ぎると、安く買い高く売るということができなかった時に、大きな損失になってしまいます。また、家計に占める不動産の割合が高くなりすぎると、充分なリスク分散がはかれないために、不動産に良くないことが起こった場合、その影響をダイレクトに受けてしまうのです。

このように、ポートフォリオのバランスや資産運用の原則を保つことを考えると、いきなり現金で実物不動産を購入するよりも、リレー投資を使い、時間をかけて購入するのが合理的といえます。
不動産投資に興味はあるものの、経済的に余裕がない、信用力が足りないなどの場合は、まずはREITへの投資を優先すると良いでしょう。

REITから実物不動産に乗り換えるべきタイミング


それではいつが、REITから実物不動産に乗り換えるべきタイミングなのでしょうか?
新築か中古かで、投資用不動産の買い方は変わってきます。まずは気になる物件が見つかったら、物件を販売している専門業者などに、物件取得の見積りやローン返済などのシミュレーションをしてもらうことなどにより、準備すべき自己資金の目安を把握しましょう。良い物件が見つかっておらず、十分な自己資金が貯まっていないのであれば、そのままREITによる運用を継続してください。

実物不動産への乗り換えが可能であるとわかった時も、なるべく多くの自己資金を準備し、実物不動産の経営を黒字でスタートできるようにしてください。より厳しい条件でシミュレーションするのがおすすめです。

REITからコツコツ積立て、実物不動産に乗り換えても保有資産の割合が大きく崩れず、投資対象も十分に分散できてからが、REITから実物不動産へ乗り換えを検討するタイミングに入ってきたと言えます。長期的な計画が重要です。乗り換えるタイミングは慎重に検討してください。数年後の不動産購入まで経験と貯蓄を積み上げ、投資初心者から中級者として、より良質な不動産投資家を目指しましょう。