不動産投資で物件購入後に毎月・毎年かかる費用について一挙解説

不動産投資で失敗しないために、多くの人は価格や立地、築年数など、さまざまな点を考慮して購入物件を選びます。

しかし、不動産投資は物件を購入して終わりではなく、購入してからが本当のスタートです。立地や築年数はもちろん大切ですが、物件を購入する際は、毎月・毎年かかる費用を把握して、利益が出る物件かを判断する必要があります。とはいえ、実際に物件を購入したことがないと、どのような費用がかかるのかイメージできないかもしれません。

そこで今回は、不動産投資で物件購入後に毎月・毎年かかる費用について解説します。

不動産投資で毎月かかる費用

まずは、不動産投資で毎月かかる費用をご紹介します。

管理費・修繕積立金(区分マンションの場合)

区分マンションの場合、管理会社に管理費と修繕積立金を毎月支払う必要があります。管理費は、管理会社が行う建物設備の保守管理、共有部分の清掃などに対して支払う費用です。修繕積立金は、建物全体の修繕に充てることが目的の費用です。管理費・修繕積立金の額は物件によって異なるので、購入前にしっかり確認しておきましょう。

管理会社への業務委託費

購入した物件の管理方法は以下の二つです。

・自分で管理する(自主管理)
・管理会社に物件管理を依頼する

物件管理業務は入居者募集や家賃回収、家賃滞納やトラブルの対応など、やらなければならないことがたくさんあります。自主管理はコストを節約できますが、手間がかかるため、副業として不動産投資に取り組む場合は難しいと感じる方も少なくありません。そのような方は物件管理を管理会社へ依頼するのがおすすめです。

管理会社へ支払う業務委託費は、家賃の5%程度が相場になります。安いほどよいわけではないので、創業年度や管理戸数、入居率などの実績を確認したうえで、信頼できる管理会社に依頼しましょう。不動産会社が物件管理も手がけている場合は、購入時に物件管理も依頼するのがスムーズです。

借入金返済、支払利息(借入を利用する場合)

金融機関の融資を利用して物件を購入する場合は、借入金の返済(元本・支払利息)が必要です。毎月の返済額が家賃収入を超えてしまうと、自己資金から持ち出しが発生してしまいます。不動産投資は、家賃収入の中から借入金返済を行うのが鉄則です。金融機関の融資を利用するなら、毎月の家賃収入の範囲で借入金が返済できるように、借入金額を調整しましょう。

不動産投資で毎年かかる費用

次に、不動産投資で毎年かかる費用をご紹介します。

固定資産税

固定資産税は、1月1日時点で土地・建物を所有している場合にかかる税金です。市町村が決定した固定資産税評価額に基づいて税額が決まるため、税額は物件によって異なります。年度の途中で物件を購入する場合、その年度の固定資産税は日割り計算し、売主と買主で負担し合うのが一般的です。

不動産会社に確認すれば、購入する前に固定資産税の額を把握できます。固定資産税は毎年必ずかかるので、物件を購入する前に税額を確認しておきましょう。

所得税・住民税

不動産投資で得た家賃収入は、すべてが手元に残るわけではありません。「不動産所得」として給与所得や事業所得と合算し、確定申告して所得税・住民税を納める必要があります。所得税率は以下の通りです。

課税所得金額 所得税率 控除額
195万円まで 5% 0円
195万円超 330万円以下 10% 9万7,500円
330万円超 695万円以下 20% 42万7,500円
695万円超 900万円以下 23% 63万6,000円
900万円超 1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円超 4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超 45% 479万6,000円

たとえば、課税所得金額が600万円の場合、所得税額は77万2,500円(600万円×20%-42万7,500円)です。あくまでも目安ですが、年収750万円の会社員の場合、所得税率は20%になります。住民税は一律10%なので、所得税・住民税を合わせて税率は30%です。不動産所得が100万円なら、所得税・住民税は約30万円(100万円×30%)かかります。

物件を購入する前に、現在の給与収入(または事業収入)から自分の所得税率を確認しておきましょう。

税理士報酬(確定申告を依頼する場合)

不動産所得を自分で計算できない場合は、報酬を払って税理士に依頼する必要があります。不動産投資の規模(家賃収入や戸数)、記帳(会計ソフトへ取引を入力)を自分でやるかどうかによって報酬額は異なります。相場は3万円程度からで、記帳も含めてすべて依頼する場合は10万円を超えることもあります。規模が小さいうちは、少しでも費用を抑えるために、自分で確定申告するのがおすすめです。

確定申告でわからないことは税務署で教えてもらえるので、書籍などで勉強しながら確定申告に挑戦してみましょう。

不動産投資でかかるその他費用にはどんなものがある?

毎月・毎年ではありませんが、不動産投資で物件を購入すると定期的に発生する費用があります。

ここでは、不動産投資のその他費用について確認してきましょう。

火災・地震保険料

不動産投資では、火災や地震による建物の被害に備えて、火災・地震保険に加入する必要があります。火災・地震保険料は、加入時に5年または10年分を一括して支払うケースが多いです。最近は台風や地震の被害などの増加により保険料値上がり傾向にありますので、金額を事前に確認しておきましょう。

内装のメンテナンス費用

内装のメンテナンス費用は、入居者が入れ替わるたびにかかる費用です。新たな入居者のために室内のクリーニング、クロスの張替え、フローリングのワックスがけなどを行う必要があります。物件の種類や管理会社によって費用は異なるので、物件管理会社に内装のメンテナンス費用がいくらかかるか確認しておくのがおすすめです。

耐久消費材の交換費用(エアコン、給湯器など)

エアコンや給湯器など、耐久消費財の交換費用も負担する必要があります。エアコン、給湯器の交換目安は約10年で、ワンルームマンションに設置するものならそれぞれ10万円程度が相場です。予測できる費用なので、対応できるように準備しておきましょう。

毎月・毎年かかる費用を考慮して物件購入を判断する

ここまで紹介したように、不動産投資は物件購入後もさまざまな費用が発生します。物件情報に記載されている表面利回りは、購入後の費用を考慮していません。いくら表面利回りが高くても、費用を含めて実質利回りを計算すると、思ったほど利益が期待できないケースもあります。

不動産投資で物件を購入する際は、概算で構わないので毎月・毎年かかる費用を計算し、どの程度の利益が期待できるかを確認したうえで購入判断することが大切です。

この記事の監修者

北野 琴奈ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)

津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。実践型ファイナンシャル・プランナーとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。TBS「がっちりマンデー!!」「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。