ジュニアNISAを活用して上手に資産形成を行おう!

若いうちから投資を始めておけば良かったと後悔する方は必ずいらっしゃいます。もし子どものうちから投資ができると聞いたらどう思いますか?

それが、未成年者を対象とした少額投資非課税制度「ジュニアNISA」です。この制度は、いわば子ども用NISAとも言え、一般のNISAと良く似ています。ジュニアNISAは証券会社などの金融機関で、未成年の子ども名義で開設できる、少額投資非課税制度による投資専用口座です。子どもの名前が決まっていたら、0歳から口座開設できます。筆者の子どものころは郵便局の定額貯金を活用したものですが、今はジュニアNISAを利用するというご家庭もあるかもしれませんね。ここではジュニアNISAの魅力について、詳しく説明していきます

ジュニアNISAとは

「長期・分散・積立」型の資産形成が有効であるという考えのもと、最近では子どもの学費を貯める手段としてもジュニアNISAの人気が高まっています。子ども名義で金融商品を買い、両親・祖父母などの二親等以内の親族が運用できます。そのため、相続対策としての生前贈与や、子どもへのお金に関する教育の一環として利用することも可能です。

2023年まで投資可能で、最長5年間(毎年1月~12月が1年)が非課税期間になります。非課税による新規投資額は、毎年80万円が上限となっています。利益確定して現金化することはいつでもできますが、その現金を口座から払い出して手元に戻すことは子どもが18歳になるまでできません。ジュニアNISAは短期の利益追求ではなく、少額から始める資産形成のための制度だからです。万が一、18歳になる前に払い出す場合は、口座を廃止し、さかのぼってその間の利益に対して税金を払いなおします。

ジュニアNISAを利用するメリット

少なくとも子どもが自分で判断できるようになるまで、実際に運用するのは親になりますが、なぜわざわざ子ども名義で口座を作るのでしょうか。その理由は主に以下の4点が挙げられます。

①配当金・分配金や譲渡益が非課税
ジュニアNISAでは株式・投資信託などへの投資が可能です。そこから得られる配当金・分配金や譲渡益に対して、特定口座などの課税口座では通常20%(復興特別所得税を含めると20.315%)が課税されます。例えば、50万円が18年後に100万円になったとします。この場合、譲渡所得として、譲渡益の50万円には20.315%の税金(所得税15.315%・住民税5%)が課税されます。50万円×0.20315=10万1,575円です。これが配当や分配金であれば、配当所得として同様に課税されます。
この税金がジュニアNISAでは非課税になるのです。2004年~2008年頃の中国バブルや直近のアベノミクスなど、マーケット環境が大きく好転した時などは、この非課税効果が後々の資産形成ペースに大きく貢献します。

②生前贈与は相続税対策としてとても有効
相続税対策の手段として「生前贈与」を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。死亡してから財産を相続人に残すと相続になりますが、生きているうちに残すことを贈与といいます。
この贈与には贈与税が課税されますが、基礎控除額といって税金がかからない金額の上限が決まっています。その金額が110万円以内です。つまり、年間110万円以内の財産を生前贈与しても税金はかからず、110万円を超えた金額に対して贈与税が課税されます。
これを活用して合法的に、あらかじめ資産の一部を子どもへ円滑に継承していくことが可能となります。それと同時に子どもの将来を見据えた、両親の考えに基づいた金融教育を組み合わせながら継承していけるのです。

③引き出し制限があるため、教育資金を確実に残せる
ジュニアNISAのデメリットの一つである引き出し制限が、逆に確実に教育資金を残せるというメリットになります。それなりのお金を子どもが持ってしまうことは、両親としては心配な部分も多いでしょう。金銭感覚が狂ってしまい浪費に走るようでは困るなど、ジュニアNISAに残高があることによる不安も少なからずでてきます。
そこで、18歳になるまで(3月31日時点で18歳である年の前年12月31日まで)現金を引き出せないことで、それまでの期間で子どもにお金との付き合い方を教えることができます。また、万が一、災害などやむを得ないことが起こった際には、例外的に非課税での払い出しも可能です。

④教育資金をインフレに対応させられる
教育資金のように、ある程度いくら使うか予想できる金額を貯める際に気をつけなければいけないのが「インフレ(物価上昇)対策」です。お金を貯め始めた時に比べ、実際に教育費として使う時期に、当時よりも大きくインフレが進んでしまった場合をイメージしてみてください。
例えば当初は1,000万円あれば足りると思って貯め始めたのに、引き出すときには物価が上がり、1,200万円あっても足りない時代に変化していると大変なことになります。ジュニアNISAを活用して資産運用をしていれば、ある程度のインフレには対応できるはずですので、後であわてて追加でお金を準備するというリスクを減らすことも可能です。
事前に教育費がいくらかかるのか実際にシミュレーションしながら、ジュニアNISAなどの非課税口座からまずは始め、不足分は特定口座などの課税口座などで運用していくと良いでしょう。また、両親が万が一若くして亡くなったり、働けなくなったりした時に備えて、教育費になるお金を担保してくれる生命保険など(死亡保障や就労不能保障)で、併せて対策しておくことが必要でしょう。

ジュニアNISAの注意点

最後に、ジュニアNISA活用の際に注意したい点をご紹介します。

ジュニアNISAには生前贈与が必ず絡んできます。まず事前に贈与契約書を用意しておくなど、専門家に相談しましょう。定期贈与(あらかじめまとまった累計金額を贈与することを前提に、定期的に分割贈与すること)とみなされると、税務署にその贈与契約を否認され、納税義務が発生する可能性もあります。
また、ジュニアNISAは2023年で終了します。制度終了時の2023年に子どもが20歳以上なのか、20歳未満なのかでその後のパターンが若干変わります。

ジュニアNISA終了前に子どもが20歳になった場合は、20歳になった翌年の1月1日に自動的にNISA口座が開設されます。この際、一般NISAにするか、つみたてNISAにするか選択も可能です。一般NISAを選択した場合のみ、ジュニアNISAの未成年者口座(非課税口座)内の金融商品については、NISA口座に移す(ロールオーバー)ことができます。ロールオーバーが可能な金額に上限はありません。

ただし、一般NISAへロールオーバーすると、その払い出し時点の時価が取得価額となり、課税口座に払い出されます。この取得価額は市場動向により、ジュニアNISA内での取得価額よりも低く設定される可能性もありますので注意が必要です。

ジュニアNISA終了時に子どもが20歳未満の場合は、「継続管理勘定」にて、子どもが20歳になるまで非課税で保有することができます。

ジュニアNISA口座開設の手続きには、子ども名義の銀行口座を開設・入金し、ジュニアNISA口座を開設したい金融機関を決めることから始まります。
運用商品には一般的にイメージするようなハイリスク・ハイリターンの商品だけではなく、ローリスク・ローリターンのものや、組み合わせることでリスクを減らせるものもあります。
ご興味のある方はぜひ早めに専門家に相談しましょう。