株主優待とは?仕組みやメリット・デメリット、注意点について解説

株主優待とはどんな仕組み?

株主優待とは、企業が株主に対して自社製品や優待券、金券などをプレゼントする制度です。2018年9月末時点で、上場企業3,771社のうち1,450社が株主優待を実施しています。これから株式投資を始めるなら、株主優待を実施している銘柄に投資するのも良いでしょう。株価の変動に一喜一憂せずに、優待品を楽しみながらじっくり投資に取り組めるからです。

なかには配当+優待利回りが年5%を超えるような銘柄もあり、株主優待は個人投資家に人気があります。ただし、優待品をもらえても、株価が大きく下がってしまっては意味がありません。株主優待銘柄を選ぶときには、注意すべきポイントがあります。

ここでは、株主優待のメリット・デメリット、注意点について解説します。

株主優待をもらうにはいつまでに株を買えばいい?

株主優待をもらうには、権利付き最終日までに株を購入する必要があります。権利付き最終日は、株主の権利が確定する「権利確定日」の3営業日前です。たとえば、3月31日(金)が権利確定日の場合、権利付き最終日は3月28日(火)になります。SBI証券などのネット証券では、株主優待実施企業の権利付き最終日や権利確定月が掲載されています。株主優待を目的に株を購入する場合は、事前に権利付き最終日を確認しておきましょう。

株主優待のメリット

株主優待銘柄に投資することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。 株主優待のメリットを二つ紹介します。

①株主優待品がもらえる
株主優待の最大のメリットは、企業から優待品がもらえることです。株主優待実施企業の株主になると、自社製品や優待券、金券、お米など、さまざまな優待がもらえます。
例えば、イオン(8267)は、100株以上の保有で半期ごとに買上金額の3~7%がキャッシュバックされる「オーナーズカード」がもらえます。また、ANAホールディングス(9202)は、100株以上の保有で国内線搭乗が50%割引になる優待券(1枚~)やANAグループ優待券(1冊)がもらえます。

よく利用する商品・サービスがある場合は、株主優待を実施しているかどうか一度確認してみてはいかがでしょうか。

②株価を気にせず長期保有できる
株式投資をすると、株価の値動きが気になって本業に集中できなくなってしまうことはないでしょうか。
しかし、株主優待を目的に投資をすれば、株価を気にせずに株を長期保有できます。長期継続保有で優待内容がアップする銘柄選ぶと、さらに長期保有しやすくなるのでおすすめです。

ビックカメラ(3048)は、100株保有で年間3,000円分の買物優待券がもらえますが、1年以上の継続保有で年間4,000円分(+1,000円)、2年以上の継続保有で年間5,000円分(+2,000円)に優待内容がアップします。株式投資には、短期で何度も売買するイメージがあるかもしれませんが、株主優待が目的なら株価を気にせずに長期保有できるので、時間や手間をかけずに投資可能です。

株主優待のデメリット

優待品がもらえるのは魅力ですが、株主優待にはデメリットもあります。ここでは、株主優待のデメリットを二つ紹介します。

①優待内容の改悪や廃止のリスクがある
株主優待は、優待内容の改悪や廃止のリスクがあります。優待の改悪・廃止が発表されると、投資家の多くが保有株を手放すため、株価が急落して大きく損をしてしまいます。株主優待の改悪・廃止リスクを避けるには、以下のことを意識するのがおすすめです。

・優待利回りが高すぎる銘柄は注意する
・東証1部に昇格した銘柄に注意する
・優待内容だけでなく業績にも注目する

優待利回りが高すぎる銘柄は、人気化して優待を維持できなくなり、改悪・廃止につながる可能性があります。東証1部に昇格した銘柄も注意が必要です。昇格に必要な株主数を満たすために、金券など本業とは関係ない優待を実施している場合は、東証1部に昇格してしばらくすると株主優待が改悪・廃止になることが多いからです。
また、業績が悪化すると、経費削減のために優待が改悪・廃止されることがあるので、業績にも注目しておきましょう。

②配当のように再投資できない
配当はお金でもらえるので、配当を再投資して投資元本を増やしていけば、雪だるま式に資産が増えていく複利効果が期待できます。一方、株主優待品は再投資できないため、使ったらそれで終わりです。将来に向けて資産形成に取り組む場合は、運用益が非課税になるつみたてNISAやiDeCoを利用して投資信託の積立投資をするほうが、長期で考えると資産を増やせる可能性が高いでしょう。

株主優待銘柄に投資するときの注意点

株主優待で損をしないためには、いくつか注意しなければならないことがあります。最後に、株主優待銘柄に投資するときの注意点について解説します。

・権利確定日の直前に購入しない
株主優待銘柄は、権利確定日の直前に購入するのはおすすめしません。人気が高い優待銘柄の株価は、権利確定日に向かって株価が緩やかに上昇し、権利落ち日(権利付き最終日の翌日)に大きく下落する傾向にあります。そのため、権利確定日の直前に株を購入すると、株主優待をもらえても大きな含み損が発生してしまいます。株主優待銘柄は、株価の値動きを確認しながら、権利確定日の2~3カ月前までに購入するのがおすすめです。

・株主優待の受け取りに必要な株数を確認しておく
株主優待銘柄に投資をするときは、優待品の受け取りに必要な株数を確認しておくことも大切です。最低投資単位の100株を保有していても、株主優待をもらえるとは限りません。例えば、外食チェーンを展開するコロワイド(7616)の場合、株主優待を受け取るには500株以上の保有が条件になっています。株主優待目的で株を購入する場合は、事前に優待内容を確認しておきましょう。

株主優待でだけで生活している桐谷氏がテレビ番組で話題になり、株主優待の魅力が一般的に浸透しました。
株式投資は多くの指標から売買の判断をしなければならず、初心者にはハードルの高い投資です。
しかし、どんな株主優待があるのかを調べるのは楽しい作業ですので、興味があればそこから株式投資にもつながっていく可能性がありそうです。

この記事の監修者

北野 琴奈ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)

津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。実践型ファイナンシャル・プランナーとして資産運用、不動産投資・賃貸経営、キャリアなどに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。TBS「がっちりマンデー!!」「がっちりアカデミー!!」、BS11デジタル「不動産王」、BSジャパン「日経プラス10」、日経CNBC「不動産投資AtoZ」等にコメンテーターとして出演。その他メディア出演・取材協力多数。