若い人たちが投資や資産運用を行っていくことの意義(北野琴奈さん)

実践型ファイナンシャル・プランナーとして各種メディア出演,講演,執筆,コンサルティングなどで活動中の北野琴奈さんに,不動産をメインとした資産形成・運用について聞きました。

リスクをできるだけ数値化することが大事

Q.若い人たちが投資や資産運用を行っていくことの意義はどんなことですか。

リスクをできるだけ数値化することが大事です。投資というとリターンが何%とか、儲かる方だけに目が行きがちで、リスクについては頭の中ではわかっていても、つい抜けてしまいます。

ある商品にこれだけの金額を投資したとき、そのお金が最悪の場合にはどうなるかを想定する必要があります。融資を受けて不動産に投資した場合、入居者が出ていって家賃が入らない期間があったとしてもローンを返済できるのか、投資した商品の価値が下落してもどこまでなら許容できるのか等、具体的な数値に置き換えて考えます。リスクを許容できる範囲であれば投資してみようということになります。

若年層は高齢者層と違って時間があるため、時間の分散をしやすいというメリットを活かした方がいいと思います。今はお金がなくても20年、30年と少しずつ積み立てていけばまとまった金額になります。

10年という時間はかなり大きく、貯蓄だけでも随分金額が変わりますし、2%位の利回りがあれば相当違ってきます。例えば3万円を毎月積み立てると20年で720万円、30年で1,080万円、2%複利で運用すると20年で884万円、30年で1,476万円になります(いずれも税引き前、概算)。

時間があるということが若い人たちにとって最大のメリットです。お金を持っていないから投資や運用を行えないと考えるのではなく、時間をたくさん持っているメリットを活かして少額でもいいので積み立て型の商品を運用していけばいいと思います。

若い人たちには税制優遇の積立型投資

Q.若い人たちが始めやすい投資商品について教えてください。

「つみたてNISA(ニーサ)」や「iDeCo(イデコ)」という二大税制優遇商品があります。NISA(少額貯蓄非課税制度)は、2014年1月にスタートした個人投資家のための税制優遇制度で、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となります。

当初は非課税となる投資額の上限枠が1人当たり年間100万円でしたが、現在は毎年120万円に拡大されています。この制度は高齢者が活用するケースが多く、若い人たちにあまり訴求しなかったため、今年1月からつみたてNISAという新しい制度がスタートしました。

若い人向けに少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。投資できる金額は年間40万円までで、それに対する運用益(インカムゲインとキャピタルゲイン)が20年間非課税になります。

イデコは個人型確定拠出年金で、つみたてNISAと同じく積立型の商品ですが、職業や自分が属している会社の制度などによって積立金額が異なります。

最高で年間81万6000円、最低で年間14万4000円とけっこう開きがあります。基本的にあまり年金制度で守られていない自営業の人たちの積立金額が最も多くなっています。つみたてNISAはいつでもお金を引き出せますが、イデコは年金制度ですから原則として60歳になるまでは引き出すことができません。

イデコの方がつみたてNISAより税制優遇措置が大きいことも特徴です。つみたてNISAは運用益に対して非課税ですが、イデコはそのほかに掛け金が所得控除になるため所得税と住民税を節税できます。また、受け取るときに公的年金等控除と退職所得控除の対象となるため、税制優遇の幅が広くなっています。