持ち家?賃貸?気になる住宅事情 ~40代会社員Dさんの場合~

住宅の購入は、多くの人にとって一生に一度の大きな買い物です。
仮に住宅を購入した場合には、今後何十年にも渡ってローンを返済し続けるわけですから、持ち家がいいのか賃貸がいいのかといった議論も様々なメディアで行われています。

本コラムでは、40代会社員Dさんの事例をもとに、持ち家と賃貸住宅はどちらが良いのか?ということについて考えたいと思います。

42歳 男性 会社員Dさんの場合

Dさんは物流系の会社の総務部門で働く会社員で、月収は手取りで38万円です。
奥様と高校進学を控えたお子様との3人暮らしで、奥様はパートで15万円ほどの収入を得ています。10年ほど前にDさん名義でローンを組んで東京郊外の一戸建て(3LDK)を4,000万円で購入しています(頭金500万円)。

(Dさん一家の家計)

食費 60,000円
住宅ローン 100,000円
水道光熱費 25,000円
通信費 35,000円
日用品費 20,000円
交通費 30,000円
医療費 10,000円
趣味・娯楽 30,000円
夫のお小遣い 50,000円
妻のお小遣い 20,000円
子どものお小遣い 20,000円
教育費 30,000円
保険 50,000円
雑費 25,000円
貯蓄 35,000円
合計 530,000円

Dさんの住宅購入についてFP目線でジャッジ!

ではDさんが住宅を購入したことについて、FPの目線ではどのように見えるのかを解説しましょう。

住宅費が家計全体を圧迫した結果、貯蓄に回せる額が少なくなっている

住宅費に月100,000円の支出をしています。
その他の費用には、目立って使い過ぎというものはありません(むしろ食費などは標準的に言われる月収の15%~25%程度よりもかなり安い水準にあります)。
それにもかかわらず、貯蓄が月に35,000円程度にとどまっています。
つまり、住宅費の支出が家計全体を圧迫してしまっており、貯蓄に回せる額が少なくなっているのです。
この先、お子さんの高校進学が間近に迫り、3年後には大学進学、さらに数年後には結婚などの支出が続くことを考えると、今はできるだけ貯蓄をしておきたい時期です。また、こういった時期に貯蓄をしっかりしていなければ、老後資金の貯金もままならなくなってしまいます。
自宅を賃貸物件として貸す、現在住んでいる自宅を担保にして老後資金を借りる「リバースモーゲージ」の利用、お子さんが独立して自宅を出られた時に別の安い賃貸物件に移るようなことも検討しなければならなくなります。

その他に考えられる手段としては、住宅ローンの借り換えが挙げられます。Dさんが自宅を購入した10年前の住宅ローンの金利は年2.5%でした。現在は史上空前の低金利になっており、「フラット35」なら年1.31とおよそ半分です。借り換えによって返済額を数百万円単位で浮かせることも可能なのです。

 

持ち家と賃貸物件はどちらが良いのか

以上のケースから、持ち家が良いのか・賃貸が良いのかを検討しましょう。

持ち家のメリットは自由に処分できる資産になること

持ち家は住宅ローンさえ無事完済しきれば、家自体が資産になります。
そのため、前述したリバースモゲージの利用をしたり、自分達が住まなくなった場合には、賃貸をして家賃収入を得たりといったメリットがあります。
もちろん、将来的に子や孫へと受け継ぐことも可能です。
また、中古の一軒家よりはマンションのほうが賃貸や売却がしやすいという傾向があります。

賃貸物件のメリットは自由に選べること

持ち家と比較した時に、賃貸にはどのようなメリットがあるでしょうか。
賃貸の最大のメリットは、転居することが自由な点でしょう。
持ち家を購入すると、簡単に売却することはできません。購入直後は、売却価格よりもローン残高の方が多くなってしまい、売却をするときにはそのまま差額を払わなければならなるからです。
そのため、例えば子どもを私立の中学や高校に進学させたいが、遠くまで通う負担はかけたくないという場合には、どの地域に住むのが適切なのか受験が終わるまでわかりません。
住む場所をその時々で柔軟に決めたい場合には、賃貸物件の方が向いていると言えます。

まとめ

持ち家と賃貸物件には、どちらも一長一短があり、一概にどちらがいいとは言い切れません。
通勤に便利で買い物やレジャーにも困らない都会の賃貸物件に住むのか、多少不便はあってもマイホームを購入するかは、どんな生活を送りたいかというライフスタイルにも左右されるでしょう。
いずれにしても、現在の収入や貯蓄の状況、将来の子供の進学や親の介護といった、今後訪れるであろうライフイベントやそれに伴う支出出費を鑑みて、判断してください。